20代女性の携帯電話を一定期間使用不能にしたとして、器物破損の疑いで21日に書類送検された「山P」ことジャニーズ事務所タレントの山下智久(29)の報道に関して、フジテレビの“配慮”がネット上などで大批判を浴びている。「書類送検」をあえて「捜査書類送付」と報じたのがその理由。これは2001年にSMAPの稲垣吾郎(40)が、道路交通法違反などで「容疑者」ではなく「メンバー」と呼ばれたことを思い起こさせるというのだ。

 ジャニーズ事務所は所属タレントによる不祥事報道を“潰し”にかかるのが毎度おなじみのケースだが、さすがに今回は事件をもみ消すなど露骨な圧力をかけなかったことは本紙昨報の通り。だが、報道にあたって“配慮”は求めたようだ。

「テレビ局ではフジテレビが、通常なら『書類送検』という言葉で伝えるところを、『捜査書類を送付しました』と伝えたんです。テロップも『捜査書類送付』となっていた。ジャニーズサイドからフジのジャニーズ担当への“報道の表現には気をつけて”という意向を受けて、ああいった珍しい表現になった。しかも、現場に一緒にいた錦戸と赤西にいたっては『歌手仲間2人』と匿名にしたほどでした」(民放関係者)

 ジャニーズが報道への“配慮”を求めた例といえば、稲垣が2001年8月に道路交通法違反と公務執行妨害で逮捕された時が思い起こされる。この事件の報道では、釈放後「容疑者」という呼称の代わりにテレビ各局はジャニーズ事務所に気を使い、事件性を感じさせない「稲垣メンバー」という新表現を使用したことが話題になった。

 ただこの時は、「稲垣メンバー」という呼び方があまりにも違和感が強かったせいで、逆に視聴者から抗議が殺到。あまりにもミエミエの“配慮”だったため反感を買う形になり、結果的には稲垣にとってもマイナスになってしまった。

 今回の「捜査書類送付」についても、当然ながらネット上では「稲垣メンバーの再来だ」などと疑問を呈する声が噴出。そもそも捜査書類や証拠を警察が検察に渡す書類送検という言葉自体もメディアの造語なのだが、正式に伝えるとしたら「送致」だから、フジの使った「送付」というのは“手心”を加えたようにも見え、やはり違和感がある。局側にもメールや電話で抗議する声が多数届いているというが、どうして批判覚悟でわざわざ聞きなれない表現を使ったのか? 

 その舞台裏を探ると、フジがジャニーズサイドに配慮しなければならない事情が見えてきた。

「9月いっぱいで、SMAPの草彅剛がMCの『僕らの音楽』や『新堂本兄弟』といった、ジャニーズのタレントが司会を務めていた長寿番組を打ち切りにした。両番組を担当していたプロデューサーが“口パク禁止”を打ち出したため、ジャニーズをはじめ大手芸能プロやレコード会社と対立したからですが、結果的にジャニーズ司会の番組が打ち切られたために、関係悪化に敏感になっていた」(前同)

 当の山下は22日、都内で行われた「近キョリ恋愛」の大ヒット御礼舞台あいさつに出席。「僕の行動でたくさんの方にご迷惑、ご心配をお掛けしたことをおわびします」と、ダークスーツにネクタイ姿という装いで神妙に頭を下げた。ファンから拍手でエールを送られ「たくさんの人に見守られていると、あらためて感じた」と感謝の気持ちを述べた。

 関係者によると「観客はほぼ全員が女子。舞台あいさつ前から“山Pは何言うのかな?”と暗い雰囲気だった」という。山下が謝罪の言葉を述べている間、会場はシーンとなった。「謝罪が終わり一拍おいて、MCから興行成績がいいという話になって、観客からは少し歓声が上がったが、こんな舞台あいさつ、前代未聞。感謝という言葉を連発してたのが印象的でしたね」(同)

 これで、今回の事件について続報するテレビ局はなくなるはず。それにしても赤西と錦戸を匿名で報じるだけではなく、「書類送検」という表現を避け、ジャニーズに恩を売った(?)フジテレビ。こんな“配慮”をしているようでは、ブーイングが巻き起こるのは自業自得というほかない。