このまま〝頭脳流出〟を許すのか、それとも――。巨人・橋上秀樹監督代行(60)が13日、都内の球団事務所で山口寿一オーナー(69)に今季終了を報告した。退任が濃厚な「代打指揮官」だが、激動のチームを2位に導いた手腕と人望は折り紙付き。球団内では残留を求める声が上がっており、去就が新たな焦点となっている。
阿部前監督が5月に長女への暴行容疑で逮捕され辞任。交流戦から急きょバトンを受けた橋上監督代行は、阪神との優勝争いを最終盤まで演じ、2・5ゲーム差の2位に導いた。CSファーストステージではDeNAに2連敗したが、混乱の渦中からチームを立て直した功績は小さくない。
その真骨頂が〝カメレオン力〟だ。楽天・野村監督、西武・辻監督、巨人・原監督ら異なる野球観を持つ名将に仕え「大事なのはその時の監督の『色』に染まること」と語ってきた参謀。自ら指揮を執った今季は「今度は私自身が、選手個々の能力に染まっていったのではないか」と、選手本位の姿勢を貫いた。
気配りも筋金入りだ。ある選手は私生活の悩みに親身に耳を傾けてもらったといい「親戚のおじさんのような安心感があった」と感謝。遠方まで足を運んだ報道陣にはコーヒーを振る舞い、座談会形式で取材に応じたこともある。
橋上監督代行はこの日「激動に近い半年間でした」と振り返り、球団への感謝を口にした。それでもチーム関係者は「どんな形であれ、球団には残ってほしい。他球団に流出ということだけは避けなくちゃいけない」と訴える。
監督代行の退任と球団からの退団は別問題。橋上監督代行は他球団からのオファーについても「多分、来てても来てると言わないですよ」と冗談交じりに語り「いや、来てないですけども」と否定した。これだけの経験と人心掌握術を持つ人材を手放せば、他球団が黙って見ている保証はない。
激動のチームを救った功労者を自らの手で敵に回す事態だけは、なんとしても避けたいところ。巨人フロントの判断が問われる。












