13日のNHK連続テレビ小説「風、薫る」第99回で、佐野晶哉演じる小説家志望の青年「シマケン」こと島田が、思いを寄せる主人公の看護婦・りん(見上愛)に受け入れられ、「よう頑張ったね」「シマケンとりんさんに幸あれ!」などとSNSも祝福投稿で盛り上がった。

 博識で筆も立つが、作家として自立するまでにはいっていない島田。恋愛感情をりんに伝えることもできないうちに、後から現れたエリートかつイケメンの新聞記者・横沢(井上祐貴)にプロポーズで先を越されてしまう。

 この日、島田と横沢はりん宅の前で2度目の鉢合わせ。前回は豪勢な花を贈った横沢がいとまを告げた後、貧相な百日草のような花を携えた島田が来た。横沢は「墓参り?」とイヤミめいた言葉を発して島田をりん宅から遠ざけた。

 再度の対面でも「あなたより、りんさんを幸せにすることができる」と経済力を背景に横沢がマウントをとる。すると島田は「僕がりんさんを幸せにするとは言えない。だけど、ほかの誰かといるのもイヤなんです。イヤだ!」と声を荒げて訴えた。

 雨の中、傘を閉じた横沢が戸を引くと、2人の話を聞いていたりんが真向いにいた。りんの手には傘。島田はずぶぬれだった。りんの胸中を察した横沢は「面白い人だ。わざわざまっとうな道を外すとは」と言い残して立ち去る。島田は「身勝手で情けない」と言いつつも「退路を断って小説の執筆に全てを注ぐ」。りんは「待ちます」と笑顔で答えた。

 りんの周辺には、島田同様に思いを秘めた幼なじみの虎太郎(小林虎之介)もおり、恋の行方は予断を許さない。とはいえ、島田は争奪戦で横沢に勝った格好だ。

 島田役の佐野は、2024年10月期の主演ドラマ「離婚後夜」(テレビ朝日系)でもヒロインを巡る恋愛勝者をにおわせる青年を演じている。

 同作では、バイト先の喫茶店常連の新人作家・香帆(久保田紗友)への恋愛感情を募らせる大学生の伊織役。モラハラ不倫夫に悩まされる香帆は別居を決意し、新たな家に住めるまでの間、伊織宅に居候する。夫婦関係に固執する夫に対し、よりを戻すべきかと揺れる香帆。結局別れ、伊織との間で、あえて一定期間距離を置くことで合意。3年後、恋が進展しそうな気配を漂わせてドラマは終わった。

 伊織は大企業社長の息子という設定だが、エリート会社員の香帆夫と比べれば、何者でもない若者。横沢に対する島田と共通する。穏やかな気質ながら、香帆にインターフォン越しに「俺を選んでください」と訴える強い気持ちも、今回の島田を思わせる。「待つ」状況設定も同じ。小説家に恋する役だった佐野が、今回は小説家を目指す役というのは好対照。

 Aぇ!group所属のアイドル・佐野だが、弱さものぞかせる男性役でヒロインの心を引き寄せている。