劇団四季名古屋の新拠点「MTG名古屋四季劇場」の内覧会が1日に行われ、名古屋で5か所目となる新劇場の内部が公開された。

 前日の4月30日に竣工。総客席数は約100席増え1300席となったが、それ以外にも前劇場との大きな違いが2点ある。

 まずは建屋の耐震性能が増した。強度を上げるブレース(補強材)を200本配置。これによりJSCA(日本建築構造技術者協会)耐震性能グレードが、前劇場の「基準級」から「上級」へとアップしたという。舞台の奥に斜めに配置された黒く太いブレースを見ながら、劇団四季の吉田智誉樹代表取締役は「見た目は少し武骨ですけど、皆さまをお守りする頼もしい存在」だと微笑んだ。

 2つめの違いは立地だ。名古屋市の中心部から少し離れた熱田区への移転。普通なら集客に影響が出そうだが、否定的な意見はほとんどないという。JRと名鉄の駅が並ぶこのエリアは商業施設が増えているのに加え、愛知有数のパワースポット「熱田神宮」がある。年間25万人以上を集客する劇団四季名古屋だが、三種の神器の一つ「草薙神剣(くさなぎのみつるぎ)」をご神体として祀る熱田神宮には年間約700万人が参拝する。

 吉田代表取締役はこう話す。

「東海中部エリアの有数の観光地でもありますし(新劇場の土地所有者である)MTGさんが商業施設を伴った本社を建てられる計画もありますので、街の様子が大きく変わってくるのではないかと思いますね。我々としても多くのお客様を集客し地域の方々のビジネスに貢献したいと思っておりますし、我々が地域の方々から恩恵を受けることもあると思いますので、相乗効果を期待しております」

 美容ブランド「ReFa(リファ)」、トレーニングブランド「SIXPAD(シックスパッド)」などで知られるMTG社は現在、隈研吾氏設計の本社ビルをJR熱田駅前に建築中。カフェなどを併設予定だ。

 こけら落とし公演は7月5日に開幕する「オペラ座の怪人」。チケットの売れ行きも好調だという。吉田代表取締役は「劇団四季が目指す場所はこれからも変わりません。演劇の感動を真摯に追求しお客様に届けたい。この劇場が熱田の地と名古屋の演劇文化の発展に寄与できるよう、努力を続けてまいります」と力強く語った。