吉沢亮主演で、歌舞伎の世界を描いた映画「国宝」(6月6日)が超ヒットしている。

 公開から2か月を過ぎても興行収入ランキングで上位をキープ。観客動員600万人、興行収入は85億円を突破し、アニメではない実写映画では、異例の「100億円」も視野に入ってきた。

 本作は、吉田修一氏の同名小説を李相日監督が映画化したもの。任侠の一門に生まれ、歌舞伎役者として芸の道に人生を捧げた吉沢演じる主人公・喜久雄と、喜久雄を引き取った家の息子・俊介(横浜流星)の壮大な一代記が描かれている。

 舞踊や所作も含めた歌舞伎の稽古に1年半をかけて撮影に臨んだ力作だが、観客や共演者、吉沢本人が最も印象的だったと語るのは、やけ酒をした後に〝ビルの屋上で狂ったように舞う〟シーンだ。映画の予告編にも使用された。配給会社関係者の話。

「このシーンはほぼ吉沢さんのアドリブで、カメラ長回しで撮影されました。夕暮れ時だったので撮影時間はわずか30分で3テイクしか許されず。40人あまりのスタッフが見つめる中でリハーサルが行われ、演技についてさまざまな意見が出されました。撮影中のあまりの狂気ぶりに『本当に酔っているのでは?』という声も漏れたほど」

 まさに国宝に関わるすべての関係者にとって思い出深い一場面となったわけだが、同場面を巡って関係者は肝を冷やしていたという。今年1月に吉沢が泥酔してマンションの隣室に不法侵入し、活動休止になったからだ。3月には復帰したものの、一時は「国宝」の公開も危ぶまれた。

「吉沢さんの騒動があった際、国宝のスタッフらは顔面蒼白でした。吉沢さん、共演者、スタッフみんなが大絶賛したシーンが、お酒を飲んだ後に踊るシーンでしたから…。ところが、公開後もあのシーンと泥酔騒動をからめる声は皆無で、関係者は安堵したのです。吉沢さんら出演者のすごすぎる演技が、吹き飛ばしたのでしょう」(同)

 すでに、賞レースを総ナメにすると言われる「国宝」。吉沢は自らの演技で〝奇跡の大逆転劇〟を演じたようだ。