女優の十朱幸代(82)が16日、大阪市内で朗読劇「燃えよ剣~土方歳三に愛された女、お雪~」(7月20日=大阪・森ノ宮ピロティホール)の取材会に出席した。

 本作は、作家・司馬遼太郎の「燃えよ剣」が原作。土方歳三と熱い恋を生きた女「お雪」として十朱が語り、宮川彬良がピアノ演奏を務める。2013年の初演から45回上演され、今回ファイナルステージとなる。

 十朱は「お雪は、非常に自立してる。大人なんですよね。しっかりと1人で生きていけるような。そういう上での恋愛だから、すごくいいんです。揺るぎなくずっといける。名前もユキだからね」と説明。土方歳三については「非情な男なのに、実はプライベートは普通で愛すべき人」と解説した。

5年ぶりの再演に意欲タップリの十朱幸代
5年ぶりの再演に意欲タップリの十朱幸代

 台本は変わっていないというが、久しぶりに読み返して驚いたようだ。「自分の恋愛とは全然違う。最初の頃は(脚本を)読んでいても全然、濡れ場を演じてるって気がなかったの。今回、また新たに読み直してみると。『何これ、濡れ場ばっかりじゃない。こんなにあったかしら』って。活字だったら読み流しちゃうけど、実際に声を出すと…。いまさらだけど、もう45回やっていてですけど」と照れ笑いを浮かべた。

 コロナ禍に女優をやめようと思ったこともあったという。

「コロナで舞台が全部なくなって、5年ぐらい何もしてなかったんです。舞台だけじゃなく、細かい仕事もすべてやらなかった。こういう生活も悪くないなって。このままフェードアウトでもいいかなって思ってたんですけど」と胸中を明かした。

 ところが「私よりさらにご高齢の方でもバンバン働いてらっしゃったり、新聞やテレビなんかでいろんな分野の方が活躍なさっているのを見て『これじゃいけない。もう一度』」と思い返したという。

 そして「私ができることって、舞台しかないなって。そうなると『燃えよ剣』よねと。(台本・演出の笹部博司氏に)可能性ありますかって聞いたんです」と振り返った。

 続けて「女優だから引退宣言とか、そういうのしない方がいいと思ってるんです。自然に注文が来なくなって、見向きもされなくなったら、そのまま自然に消えればいいので。やりたいんだったらドンドンしゃしゃり出てやればいい」。

 さらに「今回は『燃えよ剣』に限っては、今回で打ち止めのつもりです。大人の恋の話なので、見ている方に年齢的に違和感を与えてはいけないし。これを総仕上げのつもりでやらせていただきます。来ていただけたら、絶対良かったと思っていただけると思ってます」とアピールした。