2023年に死去した演歌歌手の八代亜紀さん(享年73)のヌード写真付きCDを鹿児島市のレコード会社が発売し、SNS上で批判されている。各メディアでも報じられているが、業界内では第2、3弾の発売が危惧されており、一連の問題は広がっている。

 鹿児島市の「ニューセンチュリーレコード」の公式サイトによると、フルヌード写真は八代さんが20代半ばのころ、交際相手がポラロイドカメラで撮った2枚という。それを特典にして代表曲「舟唄」などを収録したCDを21日、発売した。

 八代さんの元マネジャーが代表を務め、肖像権などを管理する「八代ミュージック&ギャラリー」は発売1週間前の14日、抗議声明を発表。遺族や弁護士と協議を重ね、法的措置の準備をしていると警告した。八代さんの出身地の熊本県の木村敬知事は16日の定例記者会見で「冒涜されることが無いよう願いたい」と要望。発売中止を求めるオンライン署名活動が展開され、7万人超が賛同している。

 だが、レコード会社側は正当に保有するものを商品として発売するとして取り合わなかった。

 発売をめぐっては情報番組でも取り上げられ、コメンテーターらが「発売を差し止めるべきでは」などと指摘した。

 一方で、肖像権は人が亡くなると消滅し、これは遺族に相続されない。そのため、法曹専門家の間では、八代さんの遺族が発売差し止めを求めても裁判所に認められる可能性は低いとの指摘がある。

 リベンジポルノ防止法への抵触を指摘する声もある。ただ、同法はリベンジ、つまり復讐のために裸の写真を流布することの防止を趣旨としており、捜査当局がレコード会社側の八代さんに対する〝復讐心〟を立証するのは難しいといわれる。

 音楽関係者は「音楽の権利関係で見ても、レコード会社側がCDを出せる権利を持っているし、写真についても権利を主張している以上、発売を止める手立てがないといっていい状況です。八代さん側も法的措置を含めて協議しているけど、不利な立場でしょう」と語る。

36年前…マリリン・モンローに扮した八代亜紀さん
36年前…マリリン・モンローに扮した八代亜紀さん

 CDは3700円。フリマアプリではこれより高値で取引されている。

 業界関係者は「騒ぎが大きくなればなるほど、フルヌード写真を一度見てみたいと思う人は増える。需要の高まりとともに〝取引価格〟もつり上がるのでは」とみる。

 レコード会社側はCDを「第一弾」とうたい、第2、3弾の発売も一部で報じられている。業界内ではこれを危惧する声があるが、「発売は可能ではある」と前出音楽関係者は言う。

 一連の問題はそう簡単に決着がつきそうもない。