18日のNHK連続テレビ小説「あんぱん」第15回は、帰って来た登美子(松嶋菜々子)の独壇場と化した。

 突然、息子の嵩(北村匠海)らの前に現れた登美子。夫を亡くして義兄・寛(竹野内豊)宅に身を寄せた8年前、嵩に嘘をついて家を出て再婚して以降、連絡を断っていた。残された嵩が嫁ぎ先に会いに来ると「もう来ちゃいけない」と言い、周囲には親戚の子扱いする身勝手さが視聴者を驚かせた。

 そんな登美子が離婚を理由に帰還し、再び寛宅に置いてほしいと頼んだから、嵩と親しい主人公・のぶ(今田美桜)は憤慨し、寛の妻千代子(戸田菜穂)らは困惑する。そこで登美子VS千代子の冷たいバトルが始まった。

 やにわに茶をたてる登美子に千代子は驚く。茶の間の〝亭主〟然に振る舞う登美子は「お茶、お花、お琴。一通りのことは身につけました」。上から目線の出戻り母に対峙した千代子は、ほったらかしにしていた嵩が心配だという言葉に「再婚先で親心も学んでこられたようですね」と皮肉で返す。この場面、千代子の顔は正面から映ったのに対し、登美子は主に横からの撮影で、あごから首筋のラインが強調されていた。

 そして登美子は嵩にまとわりつく。漫画賞の入選にベタほめしながら、寛に引き取られていたもう一人の息子・千尋(中沢元紀)が家業の医院を継がずに法学の道に進みたいと明かすと、「嵩が医者になりますから」と言い放って嵩をぼう然とさせた。

 8年間の無責任をのぶになじられても鉄面皮。しかも、嵩は「のぶちゃんは母親に捨てられたこと、ないだろ? それでも会いたかった」と登美子を責めない。とはいえ息子に「捨てられた」と断言されたのに、どこ吹く風だった。

 X(旧ツイッター)では「登美子さん、今で言う毒親」「毒親ぶりを発揮」「べっぴんさんだけど、最悪の毒親」「最低な毒親」などと指摘が相次いだ。

 NHKの番組サイトでは、登場人物紹介で登美子を「文化的な教養が豊かであり、美しく勝ち気で利発」「奔放な振る舞いで、嵩を翻ろう」とキャラづけしている。この日、「文化的教養」「美しく勝ち気」は茶の場面で描かれた。奔放かつ嵩を翻ろうは、唐突な「医者になりますから」発言などが示す。登美子は1話にして人物要素のすべてを回収するフル回転ぶりを見せた。