〝女芸人マニア〟として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから〝馬鹿売れ〟しそうな女芸人を紹介するこの連載。今回は、アイドルでありながら賞レースで爆笑を取り続けている、新道いわく「芸人以外、何者でもない」。異色の存在を紹介する――。

【プロフィル】
 芸名:福士奈央
 本業:アイドル(SKE48)
 所属事務所:株式会社ゼスト
 生年月日:1999年4月23日
 出身地:栃木県

 昨年暮れにSKE48チームEから卒業することを発表されました。今年の4月30日をもってSKE48を卒業し、所属事務所である株式会社ゼストのスタッフになるそうです。

 福士さんはアイドル活動と並行して毎年、女芸人№1決定戦「THE W」に出場されています。「THE W」には芸人ではない方も出場していて、アイドルの方も結構出ている。アイドルは表舞台に慣れているせいか動きや表現が巧みな人が多く、中には「芸人でもなかなか太刀打ちできないな」と思う人もいらっしゃいます。その中で先頭を走っているのが、間違いなく福士奈央さん。その実力は、過去の大会の実績を見ても明らかです。

【THE Wの成績】
 2017年、2回戦
 2018年、準決勝
 2019年、準決勝
 2020年、不参加
 2021年、準決勝
 2022年、2回戦
 2023年、準決勝

 アイドルは1回か2回出場したら、もう出場しなくなるのがほとんど。でも福士さんは「THE W」がスタートした2017年から毎年のように挑戦し、ここまで成績を残している。そんなアイドルはほかにいません。

 何よりも出場した6回中、準決勝に4回も勝ち上がっていることがすごい。最初は何かの企画で参加していたはず。その企画はもう終わったのに、熱量が落ちることなく毎年参加して大会を盛り上げている。大会サイドとしても貴重な存在だと思います。
 
 昨年も2回戦をトップウケで通過しましたが、準決勝で惜しくも敗退。それより前の18年と19年は準決勝で怒濤の笑いを起こし、見ていた私としては正直なところ決勝進出者よりも爆笑を取っていた記憶がある。現場では、プロの芸人より笑いを取っていることも普通にある。これが芸人でないなら一体なんなんだ、と思ってしまいます。

 21年には女ピン芸人のみほとけさんとのツーマンライブを行い、さらに大会直前にはお客さんが20人ぐらいのライブに出てネタをかけたりしていた。もはや「THE W」だけでは物足りなくなったのか、R―1グランプリに出場したり、さらにはM―1グランプリにみほとけさんと「女神」というコンビを組んで出場し2回戦まで勝ち進むなど、他の賞レースでも結果を残しています。

R-1にもチャレンジ
R-1にもチャレンジ

 ここまで来ると、もう納得するまで挑戦しようという勢いを感じます。おそらく笑いを取る心地よさに気付いてしまったのでしょう。お笑いの舞台は、お客さんを笑わせれば笑わせるほど自分に喜びが帰ってきます。どんなものよりも中毒性があるんです。

 出身地である栃木愛あふれるネタやアイドルのコントなど、福士さんらしいネタで毎年挑戦している。いまでは福士さんのネタを見ることが「THE W」の楽しみの一つになってしまっている自分がいます。

 笑わせるポイントが初めからしっかりしているのが、福士さんのネタ作りの才能だと思います。SKE48の仲間に聞いたりしながらネタ作りを行っている。妥協は一切許さない。面白いネタを作るのはプロの芸人ですら難しいことですが、それを副業として毎年やってのけるのはとんでもないことです。

 この努力をいつか実らせ、「THE W」で決勝進出すると思いますが、それだけではなく優勝まであると感じさせる。今までの流れを全く変えた「THE W」にできるのは、福士さんだけだと信じています。

 ☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人№1決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見るほどの“女芸人マニア”。