俳優・佐藤隆太の所属事務所「ケイファクトリー」が21日、公式ホームページを更新し、損害保険会社に保険金を不正請求した中古車販売大手「ビッグモーター」(東京都港区)との契約を解除したと発表した。

 CMは「車を売るならビッグモーター」のフレーズでおなじみだったが、同社の保険金不正請求問題が報じられたことで、佐藤の名前が頻繁に飛び交う事態となっていた。

 ケイファクトリーは「ビッグモーターの広告出演に関しまして、関係先との協議のもと、7月20日付で契約解除に至りましたことをご報告申し上げます。なお、本契約に関するご質問に対して、お答えすることができませんことをご了承ください」と報告。

 不正が発覚してから、あっという間のスピード〝解約〟となった背景には、騒動の拡大が確実とみられるからだ。

 永田町関係者によると鈴木俊一金融相は21日に開いた閣議後の会見で「保険契約者の保護に欠ける悪質な問題が認められた場合は、法令に基づいて適切に対応します」と強調した上で「(一部の報道が)事実であれば許されないことだ」と断じた。

 斉藤鉄夫国土交通相も「ビッグモーターに対するヒアリングを近日中に行いたい」と表明。スケジュール調整を急ぐ方針を示し「道路運送車両法違反の疑いが認められた場合には、問題のある事業場への立ち入り検査も含め、適切に対応していきます」と述べ、立件を視野に入れていることを明かした。

 渦中のビッグモーターは自社のウエブサイト上で調査報告書を公表。顧客の車の修理を行う際、ゴルフボールを靴下に入れて振り回して修理の範囲を広げて、保険金の水増し請求したことを認めている。

 政府関係者は「金融庁、国交省だけでなく、被害者が相談したとみられる消費者庁や警察庁などを含め、所轄官庁との緊密な連携を行うことがカギです」と話す。

 事件化が免れない状況である以上、佐藤は一刻も早く同社から距離を置く必要があった。

「CM起用されたタレントの方から『契約解除してくれ』と頼むのは異例です。通常、契約の途中解除には違約金が発生するのですが、今回は免責事項に該当する可能性が高い。このままビッグモーターのCMに出演し続けていれば、佐藤さんのイメージは悪くなる一方ですからね」とは代理店関係者。

 同社をめぐっては、すでにTOKYO FMが情報番組内のCM放送を見送るなど、各所に影響が出ている。まだまだ波紋は広がりそうだ。