日本テレビ系の人気バラエティー番組「笑点」(日曜午後5時30分)の大喜利新メンバーが、春風亭一之輔(45)に決定したことが、5日の同番組内で発表された。

 今回、新メンバーを入れたのは、長年レギュラーを務めた三遊亭円楽さんが昨年9月に亡くなったため。さまざまな候補が挙がっていたが、フタを開けてみると一之輔だった。これについて関係者からは「当たり前と言えば当たり前の人選」との声が上がる。

「2001年に入門した一之輔は、早くから将来を嘱望された逸材。2012年には21人抜きで真打ち昇進を果たした。その後も期待通りの活躍を見せ、今では『最もチケットが取れない落語家の一人』と言われる。独演会だけでなく、彼が寄席に出るだけで満席になるほど」(演芸関係者)

 笑点メンバーになると「一生、食いっぱぐれることはない」と言われるが「正直なところ、一之輔はすでに売れっ子。むしろ〝あんなに忙しいのに『笑点』に出て大丈夫?〟と心配する声が上がっている」と同関係者は指摘する。

 そんな声が出るほどの売れっ子だけに「忙しすぎるから、一之輔は笑点メンバーに入らないのでは?」との予想もあった。一部で本命視されたのが女性落語家の蝶花楼桃花だった。

「ご時世として『そろそろ女流落語家が入るのでは?』という声も多かった。でも桃花は落語界では評価が高いが、一般的な知名度はまだ高くない。笑点メンバーに選ぶと〝抜擢された〟というイメージが付くし、まだ不安が大きかったのでは」(テレビ局関係者)

 そこにはこんな思いが見え隠れするという。

「16年に林家三平が笑点メンバーに入ったが、『面白くない』などと批判を受け、21年末で降板した。〝抜擢〟というイメージでメンバーになると、うまくいかなかったら批判を浴びる。そんなトラウマがあるから、日テレはすでに実績がある売れっ子の一之輔を選んだとみられています」(同)

 確かに三平の後に笑点メンバーに入ったのも、当時すでに売れっ子だった桂宮治だった。

「一之輔と宮治は今後、東京の落語界を引っ張っていく存在と言われる。知名度の低い落語家を抜擢するより、すでに売れている2人を笑点メンバーに入れることで、今後も長寿番組として視聴率を安定させたいのでしょう」(同)

「笑点」の今後は、40代の若手である一之輔と宮治にかけられたようだ。