瀬戸内7県を拠点に活動するアイドルグループ「STU48」の楽曲「花は誰のもの?」が、異例のロングヒットで話題となっている。

 8枚目のシングルとして4月13日にリリースされたが、9月に入ってからも人気音楽番組に出演。平和を願うメッセージソングとして、国内外で反響を呼んでいる。本紙は同曲を作曲した元チェッカーズの鶴久政治(58)とセンターの石田千穂(20)を直撃! 鶴久の熱すぎる〝STU愛〟に触れ、石田も年末への大舞台への思いを激白した。

 ――4月に発売された「花は誰のもの?」は有線放送を中心に異例のロングヒット。9月には初めて人気音楽番組「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)にも出演した

 鶴久 久しぶりに秋元(康)さんが僕の曲を選んでくれたこともあって、思い入れも強いですね。秋元さんに一番最初に歌詞を書いてもらったのは、チェッカーズの曲で「NEXT GENERATION」だった。僕は21歳で、グループとしてヒット曲に恵まれ、毎日歌番組にも出させていただいてたけど、ちょうど反抗期が来た。その時に「大人にはわからない 何かを探してる 僕等はいつもその後(あと)の世代」という歌詞に僕は鳥肌が立って。感電したような感覚に襲われて、ずっとその曲を聴いてたんです。その時の感動が「花は誰のもの?」でよみがえりましたね。

 ――不安定な世界情勢の中で、制作された平和を願うメッセージソング。「もしこの世界から国境が消えたら 争うことなんかなくなるのに…」などメッセージ性の強い歌詞や切ないメロディーが、有線放送を中心に反響を呼んだ

 石田 歌番組とかいろんな場所で披露できる機会が決まるたびに、知らない人に聴いてもらえるとうれしい気持ちが強かったです。

 ――広島が活動拠点の一つとなっているグループにとっても、思い入れのある曲になったのでは

 石田 私自身も広島出身で、夏休みに学校に集まって平和について学んだり考えたりしていた。だからこそ瀬戸内を拠点に活動している私たちがこのメロディーを、この歌詞で歌わせていただけることが本当にうれしいなって思います。

 ――鶴久さんはツイッターでSTU48について、応援ツイートをたびたびつぶやいている

 鶴久 毎日ってくらいに「花は誰のもの?」のミュージックビデオを見てますから。千穂ちゃんがここでターンするとかも分かる(笑い)。僕の29歳の息子よりもみんな全然若いし、僕がおじいちゃんにあたるぐらいの子たちだけど、みんなすごいよね。STU48のユーチューブを見てたら、小柄だけど、(研究生の)岡田あずみちゃんの踊りはすごいよ。

 石田 え~! 私たちのいろんなメンバーを見てくれていて…うれしいです!

 鶴久 チェッカーズでも(藤井)フミヤさんは小柄なんですけど、ステージに立つと大きく見せる。岡田ちゃんもそう。AKB48でいえば、大島優子さんみたいな感じかな。やっぱりこの曲を歌ってくれたことに感謝しているので、どんなメンバーで成り立ってるのかなとか気になって。出てる動画を見ないわけにはいかないんですよ。午後11時には布団に入っているんですけど、また老眼鏡を探して暗い部屋で、家族に音が漏れないように見てます(笑い)。

 ――もうプロデューサーですね

 石田 第二の秋元康さんです(笑い)。

 鶴久 いやいや…僕より分析しているのは秋元さんです。でも、中村舞ちゃんというメンバーは、エスパー伊藤さんみたいに、黒いカバンに体を入れちゃうのが特技だったり…ほんとSTU48は個性の塊ですよ。

 ――元チェッカーズの鶴久さんがここまでグループを愛してくれるとは

 石田 本当です! ラジオなどでも共演させていただいたんですけど、お母さんとお父さんにLINEで報告したらすぐに「すごいね」と来て。特にお母さんがすごく興奮してて「姉ちゃんがファンだったよ」「めっちゃすごいじゃん!」と言ってました。

 鶴久 そこは秋元さんより上かもしれない(笑い)。一応、チェッカーズだから(笑い)。

 ――いま改めて曲への思いも強くなっている

 石田 ダンスの先生を含めて「この歌詞はこういう気持ちで歌おう」とか全員で話し合ったり。今までも歌詞や曲を大切にと思っていたんですけど、「花は誰のもの?」はより一層みんなで気持ちを共有して、作り上げていった感じでした。

 鶴久 僕もこの曲のパフォーマンスを最初から見てますけど、みんなすごくキレイになっている。少女だった彼女たちがどんどん大人になっていくような…。いまは千穂ちゃんとか鼻血を出してもそれはものすごく美しく見えると思う。僕の中では、年末のレコ大と紅白はもう出るイメージが湧いてます。

 石田 鶴久さんの思いをたくさん聞かせていただいて。メンバーやファンの方とも年末の紅白歌合戦やレコード大賞を目指そうね、と目標として話していたんです。STU48がこの曲を歌わせていただいたからには、絶対にそのステージに立ちたい!とさらに強い気持ちになりました。

☆つるく・まさはる 1964年3月31日生まれ、福岡県出身。1983年9月、チェッカーズ「ギザギザハートの子守唄」でデビュー。チェッカーズのサイドボーカル・メロディメーカーとして数々のヒット曲を手がける。92年の解散後もライブ、作詞、作曲、プロデュース、役者、バラエティーなど多方面で活躍。

☆いしだ・ちほ 2002年3月17日生まれ、広島県出身。2017年3月にSTU48の1期生として加入。デビューシングル「暗闇」(18年1月)から全シングルで選抜入り。6th「独り言で語るくらいなら」(21年2月)で初センター。最新シングル「花は誰のもの?」で2度目のセンターを務める。