英国のエリザベス女王が8日、96歳で死去しスポーツ界にも悲しみが広がる中、2012年ロンドン五輪開会式での女王の意外なエピソードが明かされた。

 英国オリンピック委員会の公式ホームページは「その輝かしい生涯を通じて、女王ほど五輪と深く結びついている非五輪関係者はいない。女王は国家元首として2度大会を開会した」と思い出を振り返る追悼記事を掲載した。

 中でも注目したのは2012年ロンドン五輪開会式で演じた役割についてだ。「英国で最も有名なスパイとの極秘任務が、女王と五輪との長く輝かしい関係を永遠に定義づける。女王は、ダニエル・クレイグの最も有名なボンドガールとして主役を演じた」と記述。クレイグ扮するジェームズ・ボンドにエスコートされ、ロンドンの名所を通過しながらヘリコプターで会場に到着。女王とボンドがパラシュートで降下(実際はスタントマン)し、会場に姿を見せるという演出について振り返った。

 同ホームページによると、開会式を演出した映画監督のダニー・ボイル氏は、最初は女王の役はそっくりさんが務めると考え、バッキンガム宮殿に許可を求めた。しかし返答は「こんばんは、ボンドさん」というセリフを言うことを条件に、女王自身が出演を望んでいるというものだったという。

 さらに、女王のこだわりは相当なもので、自身が出演するということを王室の誰にも秘密にしていた。当日、ボンドがバッキンガム宮殿に女王を迎えに行く映像がビジョンに写ると、王室メンバーはビックリ。あ然としたウィリアム王子は「行け! おばあちゃん!」と叫んだのだという。

 国民に愛された女王の人柄を象徴するエピソードと言えそうだ。