【supercell feat.初音ミク「ブラック★ロックシューター」】

 ブラック★ロックシューターは、2007年、イラストレーターのhuke氏がデザインしたキャラクター。翌年、このキャラをイメージして、supercellのryoが曲を作り、音声合成ソフト「初音ミク」に歌わせたボカロ曲を発表。そして12年の2~3月に、テレビアニメ「ブラック★ロックシューター」が放送された。もちろん、オープニング主題歌はsupercell feat.初音ミクの「ブラック★ロックシューター」だった。

 ボーカロイド「初音ミク」の最初のバージョンが発売されたのは07年。つまり同曲は、ボカロ曲としてはかなり初期のころの作品ということになる。アニメ放送時も、現在に比べれば一般的なお茶の間の視聴者にとって、初音ミクの“特徴的な”歌声はなじみのあるものではなかった。それが地上波の、しかもフジテレビ「ノイタミナ」枠で流れたときには、「変な声(歌い方)だなあ」と感じた人も多かったのではないだろうか。

 しかしご存じの通り、それから10年を経過した今では、もはや初音ミクは世界的なアイドルシンガーとなり、ボカロ曲というものも日本の音楽シーンの中で当たり前のように存在している。

 今年4~6月には完全新作アニメ「ブラック★★ロックシューター DAWN FALL」が放送されたが、最終話では挿入歌として初音ミクの「ブラック★ロックシューター」が流れた。10年前のアニメと今年のアニメで、もしこの曲の聞こえ方が違ったのであれば、それはすなわち視聴者側の“成熟”であり、初音ミクやボーカロイドが市民権を得たことの証しのような気がする。