夢グループの石田重廣社長(64)が、6月27日に亡くなった歌手・葛城ユキさんとの秘話を明かした。

 石田社長は8日、都内で悲願の歌手デビュー曲「夢と…未来へ」の発表会を行った。通販のCMで共演する歌手・保科有里との初のデュエット曲だ。

 曲は7月6日にリリースされたが「いよいよ新曲が発売されるという矢先に、葛城ユキさんが亡くなりました。亡くなる5時間前に電話がありまして『社長、今までいろいろありがとうございます』と」。葛城さんは夢グループ主催のコンサートの常連。新曲とともに同じステージに立てない無念から、石田社長は電話口からアカペラで歌ったという。
 
 同社長によると、実は亡くなる2週間ほど前、自身の最期が近いと感じ取った葛城さんと「あるルール」を作ったという。

「『亡くなった時に葬儀はどうするの?』と。すると『私はしたくない』と。『亡くなる時は家ではなく、その寸前に救急車を自分で呼ぶ。病院で亡くなったら、すぐ火葬場を探してもらって、火葬してもらいたい』と」

 その理由について聞くと葛城さんは「賃貸マンションゆえに大家さんに迷惑かけたくない」。さらに「次に住まれる方にとっても、いろいろ問題が出てくるから」と語ったという。

 葛城さんは、そのおよそ5時間後に息を引き取ったが、石田社長は電話の最後にかけられた言葉をこう振り返った。

「『社長さん、最後に聞いてください。体だけは、健康に気を遣って生きてください』と言うんです。これから自分が亡くなろうという時に、何で人の体を気遣うことができるんだと思って…」

 葛城さんが最期に聞いた曲は、石田社長の温かく優しい歌声だった。