3日放送のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」で、「ニーニー」ことヒロインの兄賢秀(竜星涼)が再び、カネを詐取して逃走する場面が描かれた。

 養豚場で働いていた賢秀は、給料を前借りして逃げ出した。置き手紙には「部にして返す」との文言が。部は「倍」の誤字で、過去には東京でヒロインで妹の暢子(黒島結菜)の持ち金を勝手に拝借して逃げた際、書き置きに同じ間違いが見られた。沖縄の実家を飛びだした際も同様だった。

「倍にして返す」は賢秀の口ぐせ。まともに働かずに大きなヤマを当てることばかり考えては家族に迷惑をかけ、そのクズっぷりは視聴者をあきれさせている。沖縄の本土返還に伴うドル・円交換で「1ドル360円が720円になる」という詐欺にまんまとひっかかって預けた約1000ドルを失ったのも、「倍」にひかれたからだった。

 2013年の新語・流行語大賞に選ばれた「倍返し」といえば、TBS系ドラマ「半沢直樹」の主人公の決めセリフ。意味するところは賢秀と異なるが、SNSでは「半沢ニーニー」「半沢賢秀 部返しだ」「バンカーになるのか」などと視聴者が想像力をたくましくしている。

 最近では岸田文雄首相が発する「倍増」が、一部報道では「乱発」と指摘されている。「令和版所得倍増」に始まり「資産所得倍増」、子育て関連予算も「将来的に倍増を目指したい」と国会答弁。ただ、具体的な倍増化が示されないため、野党やメディアの突っ込み対象と化している。「資産所得倍増」には、「賢秀が引っかかりそうな預けた金が倍になるって詐欺の話かと思った」との辛辣なSNS投稿もあった。