元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士が31日、「めざまし8」(フジテレビ系)に出演し、一家4人による巨額の持続化給付金不正受給事件について解説した。

 警視庁が30日、新型コロナウイルス対策の持続化給付金をだまし取ったとして詐欺容疑で逮捕したのは三重県津市の会社役員、谷口梨恵(47)、長男の大祈(22)、犯行当時19歳だった次男(21)の3容疑者。インドネシアにいるとみられる梨恵容疑者の元夫の谷口光弘容疑者(47)を詐欺容疑で指名手配している。

 3容疑者の逮捕容疑では給付金300万円の詐欺容疑だが、主犯格とみられる光弘容疑者ら十数人のグループは約1780件の虚偽申請を代行し、うち約960件、約9億6000万円を不正受給し、1件につき10数万~数十万円の報酬を受け取っていたとみられている。

 若狭氏は「組織犯罪なのか、刑法の詐欺罪として起訴するのかが見極めるポイント。こうしたピラミッド型で役割分担が決まっていて、指示系統があるとなると組織詐欺となり、刑も倍くらいになる。とにかく谷口光弘容疑者を捕まえてその仕組みを解明しないと、組織詐欺に移れるかはわかならない。身柄を確保できるかが事件の全体像、本質的なところを解明できるかにかかってくる」と分析した。

 インドネシアへの出国については「犯行後、ほどなくインドネシアに行っているという情報。あらかじめお金を得たらすぐトンズラするつもりで計画的だったのか、あるいは警察の捜査を嗅ぎつけてこれは危ないと思って海外に逃げたのか、どちらかだと思う。いずれにせよ逃げるのに適している、見つかりにくいところを目指すはず。韓国、米国は日本と犯罪人引渡条約があるのでそれが適用されない国を選ぶという着眼点を持つんじゃないかと思う」と推測

 約10億円を取り戻せるかについては「虚偽申請した名義人も詐欺の容疑者なので、名義人から返してもらうことで、一部は戻ってくるだろう。谷口容疑者がどこかに犯罪の収益として隠していればそこから取り立てることも可能になる。1円でも多く国に戻してもらうべきお金です」と解説した。