艇界に秋本番を告げるSG「第68回ダービー」が26日、東京・ボートレース平和島で激闘の幕を開ける。
ボートレース界最古の歴史を誇るビッグレース。その他のSGレースが呼称変更した中で唯一、創設当初から変わらない由緒ある伝統の一戦。それが「ダービー」だ。
ここでは今大会での活躍が期待されている新進気鋭・丸野一樹(30=滋賀・109期)にスポットライトを当てた。
刻一刻とその時は近づいている。念願のビッグタイトル初制覇、その瞬間が――。今回は目標だった最高峰レース「ダービー」に初出場。これまでにもSG初制覇者を多く輩出している、この舞台をその時にするつもりだ。
近年は積極的な体幹強化トレーニングを取り入れ、加速度的に地力アップ。2019年8月・地元びわこ67周年記念でGI初優勝。SG戦線にも乗り込むなどまさに順風満帆。そして迎えた今年、そろそろSG初Vもあるのでは? そう思われた矢先だった…。
好事魔多しとは良く言ったものだ。7月の芦屋SG「第26回オーシャンカップ」初日の試運転中に転覆。その際に自艇が左手を直撃。腫れ上がった手は指を動かすこともままならず1走もせずに帰郷を余儀なくされた。直行した病院で下された診断は「左第2基節骨、同第3、第4中手骨骨折 全治3か月」の重傷。目の前が真っ暗になった。
だが、切り替えは早かった。周囲からは「今年だけではない。また来年も…」。そんな自重を促す声もあったが居ても立ってもいられなかった。
もちろん目先のグランプリ出場やSG初V、そんな欲もあった。だが、それ以上に彼は〝レースがしたかった〟〝ボートに乗りたかった〟に違いない。ボートレーサーとしての本能に突き動かされた。
そこからは復帰に向けて壮絶な闘いが始まった。「日ごろからお世話になっている方に300万円くらいする電気治療器を借りて寝てる間も5~7時間、朝も9時から夕方まで治療、リハビリ、トレーニングを続けた」
その結果、ちょうど1か月後の8月・蒲郡SG「第67回メモリアル」で超スピード復帰! しかも初優出(5着)を果たするなど大活躍した。「すぐに結果も出せたし対応できた。努力は間違っていなかった。まだ、骨も完全にはついてないし、レース後は腫れて痛い。家族を含めて全てを犠牲にしたけど、それでも人間的に成長できた」とプラスに捉えている。
念願のダービー初出場については「GⅠ、SGという上のクラスを走った中で結果を出せたので素直にうれしい。1年間頑張ってきた成果だと思う」と喜びを噛み締める。
獲得賞金も6850万円強の9位(24日現在)。「(トライアル2nd入りの)6位以内に入るつもりでいる。僕は不器用なのでグランプリを獲るために人より何倍も努力をして結果を出したい」
注目の初日は2R3号艇、8R5号艇での2回走り。手にした58号機は中堅クラスの評価だが、前検日のスタート特訓を終えると「周りの人と変わらなかった。半信半疑の部分もあるけど、ターン回りは力強い気がした」と、彼の生命線となるレース足系はありそうな気配。どんなレースを披露するのか、要注目だ!












