【ボートレース】絶好調の〝イナダッシュ〟稲田浩二 「グランプリに出たい」

2020年10月22日 14時23分

着実にステップアップする稲田浩二

【今が〝旬〟~このレーサーに乗れ~】(稲田浩二=35、兵庫支部・94期)

 昨年9月の戸田63周年記念でGⅠ初Vを達成すると、今年も9月に宮島66周年記念で2度目のGⅠ優勝を果たすなど、7Vと絶好調モードに突入。現在、開催中の大村SGダービーにも出場している。

「稲田浩二」というボートレーサーを表現するときに、真っ先に出てくるのが早いスタート力を生かしたカマシ一発だ。そのイメージからファンの間でも「イナダッシュ」と呼ばれることも多い。ただ、本人は「困りますね~。そういうのは…(笑い)。フライングは絶対にせんとこって思っているのに…」と照れくさそうに笑う。4号艇での登場でカド戦の時には、何かやってくれるんじゃないか、という周囲の期待とは裏腹に、本人はスタートを行かなければいけないプレッシャーを感じている様子だ。
 
 今年は、すでに2017年にマークした自己最多の7Vに並んだ。その中にはGⅠVも含まれているだけにデビュー以来〝最高の1年〟と評価しても問題ないだろう。
 
 しかし、稲田自身は「特別に変わったわけではない。調整の幅は広がっているとは思うけど、どこでも簡単に出せているわけではない」と冷静に自己分析をしている。
 
 さらに気になるデータがある。今年の7Vのうち、優勝戦1号艇で勝ち取ったのは3回のみ。逆に同じ7Vだった17年は、イン逃げで6回の優勝を決めている。

「今年は優勝戦の展開がハマっているかな。1コース以外で勝っているのが多い。それは(エンジンが)仕上がって優勝できたわけではない証拠」と振り返るように、予選トップ通過から準優勝戦1号艇→優勝戦1号艇→優勝という「王道V」が達成できていないことに、もの足りなさを感じているのだ。9月の宮島GⅠVについても「正直、取れるとは思っていなかった」と明かす。

 もちろん、これらの言葉は、常に上を目指しているからこそ出てくるもの。「上のステージで活躍したい。賞金の上積みを考えると一般戦だけでなくGⅠ、SGで頑張らないといけない。そしてグランプリにも出たい」と高い目標を胸に秘めている。

 性格はいたって物静かで、同支部先輩の吉川元浩が「缶ビール一本飲んで、ようやく人並みに話す」というほど。この点についても「もっと目立たないといけない」と静かな闘志を燃やしているが、華やかなスポットライトを浴びるトップレーサーへの道を着実に歩んでいることは間違いない。
   
◇いなだ・こうじ 1984年12月8日生まれ。兵庫県出身。2004年5月に尼崎でデビューすると3走目で初勝利。4か月後の9月の宮島で初優出&初優勝を達成。通算36V(GⅠ2V)。同期には岡崎恭裕、藤岡俊介、今井貴士、落合直子、古賀繁輝らがいる。