「すみだボクシング祭り2022」が15日、東京・墨田区総合体育館で行われ、WBC世界ライトフライ級王者・寺地拳四朗(30=BMB)とWBO世界フライ級王者の中谷潤人(24=M・T)がトークイベントを行った。

 この日は多くのボクシングファンが集結。ステージに上がった世界王者2人はMCから「日本人対決」について振られると、拳四朗は「僕はホントに皆さんが見たい試合であればやりたい」と答え、中谷は「日本人選手のレベルがすごく上がってきています。世界の舞台で日本人同士が戦って感動が生まれる場面が多いので、そういう試合をしていけるのであれば全然アリかなと思います」と前向きに語った。

 さらに拳四朗はMCから中谷の階級(フライ級)の可能性と問われると「フライ級でも絶対に取れる自信がありますね」とキッパリ。ファンからは拍手が沸き起こり、隣の中谷も苦笑しながら手を叩いた。

 夢の架空対決に思いを巡らせた拳四朗は「可能性はゼロではないと思います。(試合展開は)想像ついています」と語り、互いに行ったスパーリングを回想ながら「中谷選手の距離ではやらせたくない。プレッシャーをかけて潰して、ドンドン前にいけば勝てるんじゃないかって想像つきます。どうですかね?」とニヤリ。隣の中谷は「拳四朗選手はプレッシャーをかけるのがすごくうまい。距離を詰めてくるイメージは僕も沸くので、そこを入らせないように、逆にくっついてみたり、いろいろイメージはありますね」と笑顔で応戦した。

 架空対決はまだ続いた。中谷は「僕の優位な身長やリーチを最大限に使いたい」と話すと、拳四朗は「(中谷は)ジャブが長いからなかなか入りにくい。そこをいかに潰すかが大事ですね」と返答。未来の対決を見据え、具体的な戦術を語り合う世界王者同士のトークにファンは酔いしれた。

 一方、気になる決着に関しては「判定の可能性のほうが高そうな気がする。探る時間が長いかも」(拳四朗)、「神経戦というか、探り合いが長くなりそうなイメージ」(中谷)と同じ意見。現時点で2人の頭にKO決着はないようだ。