日本の芸能界は最近、映画監督や俳優の性加害疑惑で騒がしいが、タイでも大富豪らとのボートクルーズ中、川へ転落し怪死した国民的女優をめぐりキナくさい噂が出ている。タイで「エンターテイン」と呼ばれる、いわゆる接待仕事の最中、その女優は船上という“密室”で、何らかのトラブルに巻き込まれたのではないかというのだ――。
タイの人気女優テンモーさん(享年37)は2月下旬、大富豪所有のスピードボートで首都バンコクのチャオプラヤー川をナイトクルーズ中に川へ転落。2日後に水死体で見つかった。同乗者は部下を連れた大富豪とその友人、テンモーさんの友人ニューハーフ、女性マネジャーといった面々だ。
テンモーさんが転落した理由について大富豪は「船尾でニューハーフの足をつかみ用を足している最中に転落した」と説明した。船のトイレは荷物が詰め込まれ、救命胴衣は全員着けていなかった。ただテンモーさんは、ロングスカートの下にレオタードのような下着を着けていた。そんな格好で、しかも女優が外で用を足すの?と、世間から疑惑の目が向けられた。
しかも誰一人、川へ飛び込み救助しなかった。ニューハーフは「夜で暗かったためできなかった」、マネジャーに至っては「泳げないから無理」と開き直ったが、後に5歳の娘の水泳教室で一緒に泳ぐSNS動画が出回っている。
大富豪は友人であるマネジャーを介し、テンモーさんをクルーズに誘った。実はこれが接待の仕事で、その最中に「何かトラブったのでは?」という疑惑が当初からささやかれた。事実テンモーさんが船上で歌う動画では「友達をここへ連れてこい」「テンモーは話をするのが難しい」という男の小声が聞こえる…。
またマネジャーは事件後、関係者に「あんな仕事を引き受けたのは自分の失敗」とLINEしていた。本人は「テンモーが亡くなり、収入がなくなった。わざと死亡させるようなことはあり得ない」と反論する。ただ自分の娘をテンモーさんの養女にし、テンモーさんはその子を受取人とした、100万バーツ(約360万円)の事故保険に入っていた。
地元警察は118人の証言、200の防犯カメラ映像、14のケータイ動画、物証40品目51品を集め、捜査は最終段階に。部外者だが、音声証拠を提出した元警官は「これは殺人事件だ」と信じてやまない。さらに「事件のあった日、川沿いのホテルに大物が待機しており、そこにテンモーを連れて行く予定だったのでは。だが彼女はそれを拒み、『船を止めないなら飛び降りる』と言って飛び降りたんだ」などと主張している。
テンモーさんが転落した後、同乗者の行動は怪しい点だらけ。救助要請は遅く、船上で3本以上飲んだワインの空き瓶を川に捨てたり、マネジャーがテンモーさんのスマホデータを削除したり、口裏合わせや偽証もしていた。ただ過失致死容疑は、無免許で船を交代で操縦していた大富豪とその友人、そしてニューハーフの3人だけだ。
ニューハーフは今月3日、警察出頭時に容疑を否認。その前日には友人たちとまた船上パーティーをしていたが、「友人を亡くしたからっていつまでも沈み込んでなきゃいけないの? 自分が前に進むため参加した」と開き直った。
12日にはテンモーさんの母親が、前出の元警官らを「事実ではない噂を流した」として刑事告訴すると宣言。当初、母親は真相究明を強く訴えていたが、大富豪から「必要なお金は計算して言ってくれればいい」と約束されるやトーンダウンした。ちなみにテンモーさんは3歳で両親の離婚を経験し、一昨年他界した父親にずっと育てられ、母親には毎月数万バーツの生活費を送っていた。
警察は18日に捜査を終え、翌日から2日間で同乗者5人を複数の罪で起訴する予定だが、殺人罪に問われることはなさそうだという。












