世界で最も有名な日本人ギタリスト・高崎晃が率いるヘビーメタルバンド「LOUDNESS」が新曲をNFT(非代替性トークン=複製・偽造不可のデジタルデータ)で販売する。5日夜、Zepp Tokyoの一夜限りの〝真夏の追加公演〟で初披露された新曲「大和魂」と「OEOEO」の2曲を販売することを公演のステージ上で発表した。

 あわせて、記念オークションなども開催する。音楽専門のNFTマーケットプレイス「The NFT Record」にて8月10日正午からNFT販売。通常の音楽販売に先行したNFT販売は日本初だという。

「The NFT Record」を運営する株式会社クレイオの代表取締役・神名秀紀氏は「LOUDNESSは中学生のころから憧れていたバンドです。感無量です」と語る。

 NFTとは、デジタルコンテンツに投資商品のような価値を付加する仕組み。廃盤となったCDやミュージックビデオが高値で転売されても著作権者には印税が入らないが、NFTは著作権者にも譲渡人にも収入が入る。購入者は資産として保有することも、投資商品として転売して稼ぐこともできる。人気女優の作品が1億6000万円、元女優の画像が1000万円などで売買された実績が国内にもあり、注目されている。

 LOUDNESSは1981年、レイジーのギタリスト高崎晃とドラムの樋口宗孝が、ボーカル
二井原実、ベース山下昌良を迎えて結成。X JAPAN、B’zの稲葉浩志ら、後継のアーティストに多大な影響を与え、今年メジャーデビュー40周年を迎える。

 1985年に世界発売した「THUNDER IN THE EAST」が米「ビルボード誌」にチャートイン。日本のバンドとして初めて「マジソン・スクエア・ガーデン」のステージに立ち、世界中にファンを持つ。2008年に樋口宗孝が死去した後にドラマー鈴木政行が加入した。

 緊急事態宣言の発令で、会社からライブに行くことを禁止され、チケット譲渡を余儀なくされた会社員は「コロナでライブに行けないファンへの気遣い、うれしいです。新曲もデジタルなら買いやすい。通販でCDを買うと妻子に怒られるんです」と話している。