まさかの2期目に意欲か!? 米医療専門メディア「スタットニュース」が、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長に再選意欲があると報じたことで、世界中から猛反対の声が上がっている。テドロス氏は新型コロナウイルス対策をめぐって、“震源地”である中国に忖度した対応の連発で世界中から「中国寄り」との批判を受けていたからだ。

 テドロス氏の任期は残すところあと1年。2019年12月に中国・武漢発で世界的大流行となった新型コロナ対策の陣頭指揮を執ってきたが、振り返れば後手後手の連続だった。

 辞任を求める声が多い中、まさかの再選意欲を示したことに世界中から「ふざけるな!」「再選したら国連はもう終わり」「テドロスが再選するなら、もうWHOはいらない」などの声が噴出している。

 現時点で対立候補が現れるかは不明だが、中国寄りとの批判が強いテドロス氏の再選に「待った!」をかけるとしたら、米国しかないだろう。

「トランプ前大統領が中国寄りのWHOに愛想を尽かして、昨年に脱退を正式通告したのは誰もが知るところ。1月に新大統領に就任したバイデン氏が脱退を取り消す大統領令にサインしたが、これだけ批判の声が大きいテドロス氏を再選させれば、WHOへの最大資金拠出国である米国の国民が許さない」(在米ジャーナリスト)

 米国は新型コロナの感染者数が3000万人以上、死者数も約60万人と世界最大の“被災国”だ。それだけに新型コロナの“震源地”である中国への怒りは強い。

「こうした状況をつくったテドロス氏を無条件で再選させたら、バイデン氏に批判の声が跳ね返りかねない。また、WHO脱退を表明していた怨敵トランプ氏からも突き上げを食らうことになる。バイデン氏はテドロス氏への刺客候補を立てざるを得ず、WHOの事務局長選を舞台に米中の代理戦争に発展する可能性は高い」(同)

 今後の展開に注目が集まりそうだ。