東京五輪・パラリンピックの橋本聖子会長(56)は2日、都内で定例会見を開き、東京大会の開閉会式の内部資料を掲載した週刊文春の報道に言及した。

 3月31日の文春オンラインおよび1日発売の週刊文春は開閉会式制作チームのメンバー、MIKIKO氏が国際オリンピック委員会(IOC)にプレゼンした280頁に及ぶ内部資料(昨年4月6日付)を公開。これに対して組織委が「著作権を侵害するもの」として掲載誌の回収、オンライン記事の全面削除などを要求すると、週刊文春編集部は「巨額の税金が浪費された疑いがある開会式の内情を報じることには高い公共性、公益性があります。著作権法違反や業務妨害にあたるものではないことは明らかです」と反論していた。

 この一連の騒動を受け、橋本会長は「報道の自由を制限するということでは全くありません」とした上で「ただ、今回は280ページに及ぶ内部資料が入手された中で、組織委員会の秘密情報を意図的に拡散して、組織委員会の業務を妨害するものであると判断した結果、書面で厳重に抗議を行うに至った」と見解を語った。

 全面戦争の〝争点〟となりそうな「著作権侵害」について、組織委の五十嵐敦法務部長は「著作権法41条には『時事の報道目的の場合には著作権侵害にならない』という規定がある」と前置きしつつ「ですが、その条文にも報道の目的上、正当の範囲内で、などと様々な要件が規定されている。我々としては41条の適用はないと判断して抗議した」と説明した。

 また、同編集部は反論文の中で「巨額の税金が浪費された疑いがある開会式」と指摘しているが、これについて組織委の伊藤学司CFOは「セレモニー全体の一部については東京都の役割分担に基づくものもございます。本当に一部であるとお考えいただければ」と〝巨額の税金〟を否定した。

 一方、文春の反論文について橋本会長は「まだ文書が私のところには届いてない」として「届いた中で、また改めてしっかりと組織委員会としての対応を考えていきたい」と話した。