テレビ局が「ゴーン似俳優」絶賛募集中

2018年11月29日 11時00分

右上から時計回りに加藤諒、我修院達也、アッゼニ騎手、Mr.ビーン

 日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)の“争奪戦”が繰り広げられている。といっても、本人を拘置所から引っ張ってくるわけではない。日産の経営陣が会社を私物化していたとする同容疑者を追放した一連の事件は、団塊世代に最も響くネタ。テレビ、映画、出版の各業界は、日産の今回のお家騒動が「金になる」とソロバンをはじいているという。とりわけ鼻息が荒いのはテレビ局で、目下“ゴーン顔”の役者を絶賛募集中という。

 希代のカリスマ経営者から容疑者へ――。

 破綻寸前と言われた日産自動車をV字回復させたゴーン容疑者の剛腕は誰もが知るところ。逮捕容疑や一連の疑惑が事実なら、それが同容疑者を増長させ、やがて会社を私物化するに至ったとみられる。

 逮捕容疑は有価証券報告の役員報酬過少記載。チョロまかした額は50億円以上。さらに会社の経費を使い、海外4か国に不動産を購入したり、業界未経験の姉とアドバイザー契約を結び、年10万ドル(約1130万円)を支出していた疑いも浮かび上がった。

 さらに、フランス自動車メーカー「ルノー」のトップでもあったゴーン氏は同国政府の要望を受け、それまで慎重だった日産とルノーの経営統合に傾いたと言われる。日産の株式43%を保有するルノーの方が支配的になることは明白で、これは日産がフランスの企業になることを意味する。

「このままではまずい」と考えた日産の西川広人社長(65)ら経営陣は“ゴーン切り”という一世一代のばくちに出た。内部告発をもとにゴーン容疑者の不正行為をあぶり出し、水面下で検察の協力を仰ぎ、11月19日、同容疑者がプライベートジェットで帰国するタイミングで作戦を実行に移した。

 逮捕に至る経緯を簡潔に記すとこうなるが、大企業のトップが大金を自由にして逮捕されるようなストーリーは、団塊世代に非常にウケがいい。テレビ関係者の話。

「近年で最も大きな経済事件ですからね。ワイドショーもそうですが、夜の報道番組で取り扱うと数字が伸びます。とりわけ、定年を迎えて間もない団塊世代にはひときわ“刺さる”ネタです」

 例えば、25日放送のNHKスペシャル「“ゴーン・ショック” 逮捕の舞台裏で何が」の平均視聴率は8・4%で、前週18日放送の同番組「人生100年時代を生きる」の7・6%を0・8ポイント上回った(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

 出版業界でも同様だ。週刊誌はこぞってこの事件を特集しているが、同時進行で「この問題を裏側まで取材して、素早く本にできるライターを募集している。どこも『金になる』と踏んでいる」(出版関係者)。

 ドラマ化や映画化の話も出ている。TBS系「半沢直樹」や「下町ロケット」、テレビ朝日系「ハゲタカ」に代表されるように、このところ企業を舞台にした社会派作品がブレークする傾向にある。

 前出のテレビ関係者は「日産問題はやりたい放題の会社トップに社員が反旗を翻し、追い落とすというもの。作品化にはうってつけで、ドラマ制作部は固唾をのんで、事の推移を見守っていますよ」と話す。

 同様に映画関係者も「日産だけではなく、ルノーの大株主であるフランス政府や、日本政府も関わってくるのがいい。すぐにでも2時間の映画にしたいくらいだ」。
 ただ、映像化するにあたってネックなのがゴーン容疑者役の俳優だ。2大ソックリさんといえば「Mr.ビーン」こと英俳優ローワン・アトキンソン(63)と、イタリア人騎手のアンドレア・アッゼニ(27)だが、どちらも引き受けるはずがない。

 特徴であるつり上がったあの太い眉毛にスポットライトを当てれば、歌手の我修院達也(67)や俳優の加藤諒(28)もイケそうだが、ゴーン容疑者は「無慈悲なコストカッター」としてルノーから日産に送り込まれた人物。やはり外国人でなくてはならない。

「実は現在、外国人のエキストラ会社に内々に『“ゴーン顔”いませんか?』とオファーが届いているそうです」とは芸能プロ関係者。

 拘置所にいる本人の知らないところで“争奪戦”が繰り広げられているようだ。