王者攻略へ、初戦からまさかの〝逆張り〟だ。日本ハム・新庄剛志監督(54)が14日に敵地・みずほペイペイドームで開幕するソフトバンクとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージで、いきなり奇襲を仕掛ける。前日13日に発表された初戦の先発は、今季5勝の山崎福也投手(34)。エース格をあえて外す大胆な一手には、リーグ3連覇の王者を倒すための計算が隠されていた。

 予告先発の発表が周囲をザワつかせた。日本ハムの初戦は、今季13勝で最多勝に輝いた北山か、同12勝の加藤貴が有力視されていた。ところがフタを開けてみれば、指揮官が選んだのは17試合に登板して5勝1敗、防御率2・67の山崎。短期決戦の初戦こそ最も信頼できる投手を投入するのが定石だけに、意外な人選と映るのも無理はない。

 ただ、新庄監督にとっては行き当たりばったりの起用ではない。リーグ優勝を逃した段階でCSを見据え、西武とのファーストステージから先発陣の配置を練っていた。その発想が、相手のエースと自軍のエース格を正面衝突させない〝逆張り作戦〟だ。

ファイナル初戦の先発を託された日本ハム・山崎福也
ファイナル初戦の先発を託された日本ハム・山崎福也

 実際、今月上旬にはソフトバンクの初戦先発が予想されたモイネロについて「モイネロ君に対しては一番いいピッチャーをぶつけても、っていうところはありますよね。何としても(初戦を)取りにいくよりは、その後の方が大事かなと」と構想を明かしていた。

 日本ハムは今季、ソフトバンクに5勝18敗2分けと圧倒され、ゲーム差も13。今季からの新制度により、CSファイナルは相手に2勝のアドバンテージが与えられた状態で始まる。日本ハムは最大7試合で5勝を挙げなければならない。山崎にも勝利を託しつつ他の試合に有力投手を振り向け、シリーズ全体で勝機を探る狙いがうかがえる。

 ファーストステージの西武戦(12日、ベルーナ)では、偽装スクイズで相手のミスを誘った指揮官。「駆け引きは大変ですよ」と語り「裏の裏いって、表かな裏かな」と読み合いの妙を明かした。

 3年連続で激突する難敵を前に、今度は投手起用で勝負を仕掛ける。異例の〝新庄流〟は3度目の正直につながるか。