米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属の海兵隊上等兵デビン・ジェイコブ・バラード容疑者(20)が強盗殺人容疑で逮捕された事件で、県警は5日、那覇署に留置されているバラード容疑者を送検した。送検容疑は、3日未明、那覇市若狭1丁目のホテルで同市在住の女性(39)を殺害し、財布とリュックサックを奪った疑い。

 また、古謝玄太知事と那覇市の知念覚市長は同日、県庁で第3海兵遠征軍司令官のベンジャミン・ワトソン海兵隊中将、アンドリュー・オウ在沖米国総領事と面会。日米地位協定の見直しや米軍人の綱紀粛正、再発防止策を求める正式な抗議文を手渡した。

 日米地位協定とは、日本国内における米軍施設・区域の使用や、在日米軍人・軍属の法的地位などを定めた取り決めだ。

 米国でも事件は詳報され、沖縄の基地問題が改めてクローズアップされた。ニューヨーク・ポストは5日に「今回の事件の背景には、沖縄に大規模な米軍基地が集中することを巡り、数十年にわたって続いてきた緊張がある」と指摘。日本に駐留する約1万8000人の海兵隊員の大半が沖縄に配備され、米軍関係者による犯罪や米軍機の事故、騒音問題などを受け、地元住民の反発がたびたび高まってきたと報じた。

 ワシントン・ポスト紙も今回の事件について、米軍駐留を巡る長年の緊張を再燃させたと位置付けた。同紙は、沖縄に在日米軍の大きな負担が集中しており、地元では以前から犯罪や飲酒問題などへの懸念が繰り返し表明されてきたと伝えている。

 一方、米軍にとって沖縄の軍事的重要性は高まっているという。米国事情通は「米海兵隊は中国との衝突を想定し、従来の大規模部隊から、小規模で機動力の高い部隊への再編を進めています。沖縄を拠点に台湾に近い南西諸島などへ展開し、中国艦艇の情報収集や位置特定、対艦ミサイルによる攻撃などを担うことが想定されています。日本からインドネシアへ延びる『第1列島線』は対中国戦略の最前線であり、台湾に近い沖縄はその重要拠点です」と指摘する。

 沖縄では基地負担への反発が続く一方、中国をにらむ米軍の戦略上、沖縄の重要性はむしろ高まっている。