簗和生農水相が5日、予算カット発言問題で謝罪した。先週は「誤解」を強調していた簗氏だが、この日は観念したように「撤回し、皆さまに深くおわびをいたします」と頭を下げた。一方で「職責を全うしたい」と大臣辞任はしないと明言。自民党内部からも「てっきり辞めると思ってたのに」とあきれる声が出ている。
臨時国会が召集されたこの日、高市早苗首相の所信表明演説が参議院で終わった直後に報道陣の前で簗氏は頭を下げることになった。
問題となっているのは、5月にあった簗氏の地元選挙区・栃木3区内の自民党大田原支部の会合での発言だ。先週発売の週刊新潮によると、「(栃木県)那須烏山市と那珂川町の令和8年度の道路予算については、大幅にカットしました」などと話したというのだ。
2日の会見で簗氏は「表現ぶりが誤解を招くものだった」と釈明したが、この日は「過去に私が道路予算を大幅にカットしました、また首長が自民党の国会議員はいらないという行動をとった、多くの市民・町民がそのような判断をしたといった発言について撤回し、おわびをします」と謝罪。一方で「私が担当省庁に予算削減の働きかけをしたことはない」とし、「不徳の致すところで深く反省をしております」とうつむいた。
高市氏には騒動となったことを謝罪したといい、「引き続き農林水産行政の推進に向けて全力で仕事をせよとご指示をいただいた」という。大臣辞職の考えもないようで、「農林水産大臣として責任の重みを胸に刻んで職責を全うしたい」と主張した。
謝罪したから騒動が収まるものではない。自民党関係者すら「辞めないことに驚きだ。国会審議に耐えられるとは思わない」とさじを投げているほどだ。
別の自民党関係者は発言の背景について、「地元選挙区内の事情が影響しています」と指摘した。予算カット発言の対象となった那須烏山市も那珂川町も簗氏の選挙区内にある。通常、国会議員は地元に予算を持ってくることを実績として誇るものだが、逆とは珍しい。
簗氏は今年2月の自民党が大勝した衆院選において小選挙区で敗北し比例復活となっていた。那須烏山市と那賀川町の首長が簗氏を応援しなかったことで予算カット発言につながったとされるが、当選したのは無所属の渡辺真太朗氏で、簗氏から距離のある人たちが渡辺氏を応援しているという構図だ。
渡辺氏は那須烏山市で生まれ育ち、松下政経塾で学んだ33歳。インスタグラムには同じ松下政経塾つながりで高市氏とのツーショット写真がアップされていた。
簗氏は臨時国会を乗り切れるのか。












