すでにリーグ制覇を決めているソフトバンクは2日のロッテ戦(ZOZOマリン)に4―3で逆転勝ちを収めた。今季3度目となる7連勝で、貯金は最多を更新する「44」。2点ビハインドの9回に山本祐大捕手(28)に飛び出した起死回生の逆転3ランが、劣勢だった試合を一気にひっくり返した。

 これで今季の勝利数は「91」。独走でリーグ優勝を果たした小久保政権初年度の勝ち星に並んだ。3連覇を決めても、手を緩めることなく連勝街道。劇的勝利もあり、チームの充実度は最高潮のはずだった。ところが、球場を後にするナインの表情は〝快晴〟ではなかった。この日の「最大ミッション」が未達成で終わってしまったからだ。

 この日の先発は前田悠伍投手(21)。高卒3年目でブレークした左腕は試合前時点で12勝1敗の好成績を残し、この日の試合で13勝目を挙げれば、最多勝&最高勝率の投手2冠をほぼ手中に収める状況だった。小久保監督も「野手は点を取れるベストメンバーで(いく)」と、左腕のサポートに全面協力姿勢。タイトルの称号が選手の成長に与える影響は大きいだけに、球団としても「勝たせたい一戦」だった。

 だが、この日はなかなかホームベースを踏めず。初回に近藤が本塁打で先制したものの、8回まで援護はこの1点のみだった。前田悠は7回まで1点に抑え、自己最長となる8回のマウンドへ。自己最多の122球の熱投を見せたが、佐藤に勝ち越し2ランを被弾し、7回2/3を投げて3失点で力尽きた。

 7回までの失点数は「1」。タイトルの権利を手にするには十分な投球だったといえる。それだけに、野手陣にも少なからず歯がゆさが残った。逆転弾を放った山本祐は「欲を言うと、悠伍が勝てるように先に点を取るのがチームのテーマというか、そういう話だったので」と思いを代弁した。劇的勝利でも残った「胸のつかえ」。試合後のナインの表情に志の高さがうかがえた。