京都府南丹市の安達結希さん(11)が遺体となって発見された事件で、京都府警は16日午前0時32分、父親の安達優季容疑者(37)を死体遺棄容疑で逮捕した。取り調べの中で、父親が遺棄について関与をほのめかす供述をしたという。今回の事件で謎だったのは、通学用リュックとスニーカー、遺体がそれぞれ異なる場所で発見されたことだが、同時にそれが犯人に迫るヒントになった可能性もある。

 逮捕容疑は3月23日朝から今月13日午後4時45分ごろまでの間に、京都府南丹市園部町の山林などに結希さんの遺体を運び隠匿し、遺棄した疑い。警察の調べに安達容疑者は「私のやったことに間違いありません」と供述しているという。

 府警は14日に司法解剖を実施したが、刺殺や絞殺などで残されるような外傷はなく、その日に発表された死因は「不詳」だった。ただし、死亡時期は3月下旬ごろと推定され、行方不明になったとされる時期と重なった。今後、血液や臓器などから死因が明らかになる可能性もある。

 府警によると、父親が3月23日午前8時ごろ、安達さんを車で小学校付近まで送り、降ろしたと説明したという。しかし、付近の防犯カメラに安達さんの姿が写っておらず、生徒らも目撃していなかった。

 そして大きな謎であり、かつ犯人に迫るヒントになったとみられるのが、遺体、通学用リュック、スニーカーが異なる場所で発見されたことだ。

 犯行心理に詳しい関係者は「過去にあった遺棄事件の結果からすると、2パターンの可能性が考えられます。遺体を自宅や車などに保管していたが、警察やメディアからの疑いが掛かることを感じたり、隠しきれなくなると思ったりして、捨てにいった〝後日処分型〟パターン。もう一つは、犯行直後から移動しながら捨てていった〝即時分散型〟パターンです。いずれにしても、山林に遺棄するには、人が絶対に来ない場所を知っておかなければなりませんから、その土地を知っている人物という犯人像が浮かび上がります」と語る。

 今回、リュックに関しては、地元の消防団などが捜索した時には発見場所になかったことから、捨てたタイミングは犯行直後の即時ではなさそうだ。

 父親が「送った」とする小学校を基点にすると、3月29日に西約3kmの山中でリュック、今月12日に南西約6kmの山中でスニーカー、13日に南西約2kmの里山の雑木林で遺体が見つかった。リュックは安達さんの親族が発見したものの、スニーカー、遺体は捜査官が見つけた。

「父親だから、結希さんの所有物に父親のDNAが付着していても不自然ではありません。それでも、リュックとスニーカーを捨てたのは『学校に送った』という話と矛盾するからかもしれません。スニーカーにはどんな土が付着しているかでどこまで歩いたかが分かります。リュックは学校に近いので、登校を偽装する意図もありえる。遺体は、簡単には捨てにくいので持ち続けざるを得ず、最後に遺棄したとも考えられます」(同)

 それにしても、なぜ見つかりにくい1か所に絞って遺棄するのではなく、異なる3か所に捨てたのか。

「場所を別々にしたのは、分ければ発見が遅れるかもという単純な発想かもしれない。それでも、結果的には小学校と自宅の間という、犯人像が絞れてしまうかもしれない場所でした。日常生活を崩すと怪しまれるので時間や日を変えて、すき間時間に捨てた可能性が高いでしょう」(同)

 縁もゆかりもない遠い場所に捨てに行くには、時間がかかる。それにガソリンスタンドに寄れば記録に残る上に防犯カメラに映ったり、職質を受けたりするおそれもある。

「知らない場所だと、人けの有無が分かりません。とにかく遺体を持っているのが怖い、早く証拠を手放したいという心理も働き、自宅から半径数キロに捨てたのではないでしょうか」と同関係者は指摘する。

 京都府警によると、安達優季容疑者は南丹市園部町の山林内のほか、京都府南丹市の「某所」に結希さんの遺体を運び込み隠匿し、その後遺棄したとしている。