トランプ米大統領の暴走が止まらない。第2次政権の発足から20日で1年となるが、ベネズエラ大統領を電撃拘束し、イラン反政府デモをSNSで扇動したほか、デンマーク自治領グリーンランドの領有を狙い、関税攻撃で諸外国を敵に回すなど、世界中を振り回している。そんなトランプ氏に関する〝文書〟が漏えいした。そこで「もはや平和だけを考える義務を感じていない」と心境を明かしているのだ。
ノルウェーのタブロイド紙ヴェルデンス・ガングが19日、トランプ氏がノルウェーのヨーナス=ガール・ストーレ首相に宛てた書簡の内容を暴露した。
同紙によると、トランプ氏はグリーンランドの購入に反対するノルウェーの首相に対し、脅しを繰り返す中でこう記したという。
「親愛なるヨーナスへ。あなたの国が、私が8つの戦争を止めたことに対してノーベル平和賞を与えないと決めた以上、私はもはや平和だけを考える義務を感じない。平和が常に中心であることに変わりはないが、今後はアメリカにとって何が善で正しいかを考えることができる」
そしてグリーンランドについて「デンマークはこの国をロシアや中国から守れない。そもそも、なぜ彼らに『所有権』があるのか? 書面による証拠は何もない。何百年も前に、ただ一隻の船が上陸しただけだ。だが、われわれもそこに船を上陸させていた」と主張した。
ストーレ氏は同紙に対し、「これは、私が昨日の午後、トランプ大統領から受け取ったメッセージです。私とフィンランドのアレクサンデル・ストゥブ大統領が、その日の早い時間に送った短いメッセージへの返信として届きました」と認めた。
その上でストーレ氏は「ノーベル平和賞については、すなわち賞を授与するのはノルウェー政府ではなく独立したノーベル委員会であるという点をトランプ大統領に繰り返し明確に説明してきました」と話している。
この書簡は、トランプ氏がグリーンランド領有のため、ノルウェーなど欧州のNATO加盟国8か国の全輸入品に10%の関税を課すと発表した後に出されたものだという。
トランプ氏はこれまで何度も、自分はノーベル平和賞を「受けるに値する」と主張してきた。しかし、昨年のノーベル平和賞を受賞したのは、ベネズエラの野党指導者マリア・マチャド氏だった。一方、受賞を逃したトランプ氏は、特殊部隊を使って、ベネズエラの独裁者マドゥロ大統領を電撃拘束した。
ちなみにマチャド氏は先日、受賞メダルをトランプ氏に贈呈し、物議を醸している。
書簡では、トランプ氏がノーベル平和賞を受賞できなかったことと、現在の暴走ぶりを結び付けているかのようだ。
米国事情通は「最初、ジャーナリストであるニック・シフリン氏がXにこの書簡の内容を投稿しました。あまりに衝撃的な手紙のため、ワシントンではニセモノだろうとみられていましたが、ノルウェー紙上でノルウェー首相が本物だと認めました。トランプ氏は米国におんぶにだっこのNATOをお荷物とみています。NATOの欧州加盟国がグリーンランド領有に反対するなら、NATOから脱退する口実になるでしょう」と指摘している。
トランプ氏の暴走は加速するばかりだ。












