26日のNHK連続テレビ小説「あんぱん」最終回は、ヒロイン・柳井のぶ(今田美桜)と柳井嵩(北村匠海)夫婦以外の主要人物を登場させずに、ほぼ全編14分半あまりが2人芝居に費やされた。
漫画家やなせたかしさんと妻・小松暢さんをモデルにした物語。1988年秋にアニメ「それいけ!アンパンマン」が放送された後、のぶは体調を崩して入院する。退院後、「今年の桜は一緒に見れんかもしれんね」。嵩はあらゆる健康サポートを約束した。
その後、画面は一瞬、真っ暗に。死を思わせる演出だが、暗転から戻ると満開の桜の下を歩く2人の姿が。「それから5年間、すっかり治ったかのように元気に暮らしました」というナレーションが流れた。暢さんは93年11月に死去。88年10月のアニメ放送開始から5年。のぶは〝寸止め〟で命を保ったままドラマ完結に至った。
この日は冒頭の病院シーンが2分13秒。続く自宅での語らいが8分22秒にわたって繰り広げられた。桜咲く川辺を歩く場面が24秒、再び自宅で取材を受ける風景が47秒。ラストとなる、学校体育館とおぼしき場所での子供たちとの触れ合いが2分47秒に及んだ。ほか、暗転が6秒、残り20秒が次作「ばけばけ」予告だった。
14分30秒のほとんどが2人だけのシーン。25日の129回では、師範学校学友のうさ子、黒井先生、薪議員(遺影で映る)、ヤムおんちゃん、蘭子ら近しいキャラクターを〝一斉回収〟したが、それは最終回での夫婦独演会へのおぜん立て・伏線であった。
そんな2人芝居で圧巻だったのは、自宅ソファに並んで座った8分22秒シーン。もっぱらのぶが嵩への感謝を語り、求めに応じて嵩は「アンパンマンのマーチ」を口ずさんだ。熱いハグも。
2人芝居といえば6月12日の第54回で、嵩と弟千尋(中沢元紀)の対峙に15分間を使い切った。戦時中、嵩は知らぬ間に弟が軍人になっていたことに衝撃を受け、千尋と向き合う。2人が一室で胸の内をぶつけあう模様がワンシーンで描かれた。
嵩VS千尋が若者による渾身の葛藤劇なら、嵩とのぶは老夫婦の〝枯れ芸〟。寿命という「いのち」を念頭に互いを思いやった。この会話劇は、4月のフジテレビ系「続・続・最後から二番目の恋」で見せた、小泉今日子と中井貴一の8分38秒居酒屋トークに匹敵する長さでもあった。












