【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。7月に公開された「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」の勢いが止まりません。今月7日には興行収入300億円を突破。また、米主要メディアによると、12日に公開された北米でも15日までに約103億円を記録するなど海外でも大ヒットしています。原作漫画が累計発行部数2億2000万部を突破しているように原作力が素晴らしい。それが映画としてのヒットの根底にありますよね。

 今週は、そんな「鬼滅の刃」に勝るとも劣らない原作力を持つ新作映画「ブラック・ショーマン」を紹介します。

 同作は、希代のヒットメーカー作家・東野圭吾氏の小説「ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人」を原作とした映画です。結婚を控える神尾真世(有村架純)が、突如殺されてしまった父親の死の真相に天才マジシャンの叔父・神尾武史(福山雅治)とともに迫るというストーリーです。

 今作はやはり、東野さんの小説がすごいということに尽きると思っています。全著作の発行部数が1億部超え。これは本当に驚異的ですよね。東野さんの作品の面白いのは、ミステリーだけどただの犯人捜しで終わらないところにあると思っています。これまでの推理小説というのはいかに読み手を裏切るかがキモだったんですけど、東野さんは犯人が暴き出された上でなんで犯人が犯罪に手を染めてしまったのか、加害者も見方によっては被害者であるという点にもスポットを当てるんですよね。だから、東野さんの作品はどこか切ない。それが大きな魅力だと感じています。

 また、今作は東野さんと福山さんという黄金タッグにも注目です。福山さんといえば東野さんの「ガリレオ」シリーズで今までテレビドラマや映画で大活躍してきました。今回はなんと、そんな福山さんに東野さんがインスピレーションを受けて執筆を始めた作品なんです。「ダークヒーローを演じてみたい」という福山さんの願いにばっちり応える主人公になっています。のらりくらりの演技が本当にうまくて、歌手として第一線を走り続けながら、天才物理学者から坂本龍馬までを演じ切る福山さんだからこそこなせた大役だと感じましたね。

 鬼滅の刃もそうですが、原作が面白いだけでは良い映画には仕上がりません。実力ある映像スタッフの存在があってこそです。今作も数多くのミステリーを手掛けた田中亮監督がメガホンを取り指揮しました。原作・俳優・演出のすべてがかみ合った作品になっていると思います。ぜひ劇場でご覧ください。