漫画「セクシー田中さん」などで知られた漫画家の芦原妃名子さん(享年50)の急死で、テレビ局の〝漫画依存〟のジレンマが浮かび上がっている。

「セクシー田中さん」は昨年10月期に日本テレビ系でドラマ化されたが、芦原さんと制作サイドとの間でトラブルがあったとされる。

 漫画のドラマ化では過去にも騒動があった。海上保安官を描いた「海猿」は俳優の伊藤英明の主演で2004年に映画化され、05年7月期にフジテレビ系でドラマ化されるなどしてヒット。だが、フジが許諾を得ないまま関連書籍を発売してモメて、同局が謝罪に追い込まれた後、原作者と和解した。

 制作会社関係者は「『海猿』の一件を受け、漫画などを原作にしてドラマを作る時にはどの局も細心の注意を払い、出版社も交えて交渉を重ねています」と話す。

 そもそも近年、テレビ各局はこぞって漫画をドラマ化している。その背景にあるのが、TVerなどといった動画配信サービスの存在だ。

「テレビ局は視聴率を稼ぐより、放送後に動画配信サービスで見てもらい、再生回数を競うことに注力しています」(テレビ局関係者)

 テレビ局においてドラマの存在感は増すばかりだが、すべてのドラマが当たるわけではない。

「だから、作品数を増やしています。となると、オリジナルの脚本では足りなくなり、漫画に手が伸びる。人気漫画であれば固定客がいて、ドラマ化すればヒットが期待できる。テレビ局が漫画原作のドラマに走るのも無理はありません。この流れは当分、変わらないでしょうから、『セクシー田中さん』をめぐるトラブルは他局にとって対岸の火事ではないのです」(同)

 他局への影響も必至だ。