5人組ロックバンド「BUCK―TICK」のボーカル・櫻井敦司さんが19日、脳幹出血のため死去した。57歳だった。19日に横浜市内で開催したコンサート中に体調不良で救急搬送され、同日中に息を引き取った。生前はバンドのフロントマンだけでなく所属事務所社長も務めた。コロナ禍を乗り越え、全国ツアーを敢行して多忙な日々を奮闘。ロックスターとしてステージを全うした姿がファンの心を打った。
櫻井さんの急逝は24日、バンドの公式サイトで発表された。
「10月19日KT Zepp Yokohamaにてコンサート中に 体調不良により病院に救急搬送されましたが 令和5年10月19日午後11時9分 脳幹出血のため 息を引き取りました」。搬送されたその日に帰らぬ人となり、芸能界に衝撃が走った。
19日の横浜公演はファンクラブ(FC)会員限定ライブだった。ファンや関係者の話を総合すると、1曲目を歌い終わった際にステージ上でふらつき、2曲目は座って歌唱。3曲目は歌い切ったが、終了後にスタッフに抱えられながら退場した。公演は中止されたという。
1987年に櫻井さんら5人でメジャーデビューしたBUCKーTICKは、ビジュアル系の先駆者ともいえる存在だ。
デビュー35周年の今年は、4月発売の通算23枚目オリジナルアルバム「異空―IZORA―」がオリコン週間2位を獲得した。4月からアルバムを引っさげた全国ホールツアーを開催。急逝を受け、今月20日から8公演を予定した全国ライブハウスツアー、3公演を残したFC会員限定ライブはすべて中止が発表された。
「デビューからメンバーを変えず音楽活動を継続してきたことでも知られ、ほぼ毎年のように日本武道館でコンサートを行ってきた。櫻井さんは所属事務所社長を務め、愛猫家の顔もあり、猫をモチーフにしたグッズを手掛けるほど。多忙であることも口にしていた。ファンからは『忙しすぎ』と心配されていた」(櫻井さんを知る音楽関係者)
櫻井さんは体調不良に悩まされた過去があり、18年には消化管出血で全国ツアーが延期された。
昨年9月にメジャーデビュー35周年を迎え、同月に発売したベストアルバムを引っ提げて全国ツアーを開催した。コロナ禍では配信ライブなどを余儀なくされたため、全国規模でのホールツアーは約3年ぶりだった。
「コロナ禍で思うように活動できない時期も経験した。今年8月には新型コロナウイルスに感染し、公演を延期。昨年8月にも感染していて、感染が明るみに出たのは2度目だった。バンドの活動を緩める選択肢もあったかもしれないが、櫻井さんはファンを何より大事にしていた。FC会報やFC会員限定ライブにもこだわっていた」(同)
ステージで懸命に歌おうとした姿には、ファンから「最期までロックスターだった」などと生きざまを含めてしのぶ声があふれている。
【脳幹出血とは】
呼吸や血圧を保つなどの生命維持に大切な中枢神経系を構成する脳幹部位に生じる出血。一般的に原因は高血圧にあることが多く、ストレスや喫煙、食生活の乱れなども関連する。症状には頭痛やめまい、吐き気があり、出血が多い場合は呼吸障害、意識障害がみられる。脳出血の中でも脳幹出血は生存率が低いとされる。症状が現れてから数時間で死に至ることもあり、早急に治療を進める必要がある。櫻井さんはBUCK―TICKの公演中止から、約4時間後に亡くなっていた。












