◇松尾拓(34) 三重支部114期

 今年12優出3V。優出回数はすでに自己最多。優勝回数もキャリアハイの4Vを更新する勢いだ。特に5月のからつから7月の芦屋まで6節連続優出。8月の津・お盆シリーズのFで連続優出は途切れるが、直後のとこなめ、2走前の若松でも優出と勢いは衰えない。2024年前期適用勝率も21日時点で7・52をマーク。「調子自体はいいと思う」と自身も好調を実感している。

 好調の最大の要因は「ぺラが安定して調整できている」と分析するエンジン出し。きっかけは今年2V目となった多摩川だ。「去年はペラのベースがチグハグでまったく分からなかった。でも多摩川ではノーハンマーで乗って日に日に良くなっていった。エンジンは大したことなかったんで、これはペラがいいのかなと…。それでゲージを作って、そのゲージで調整するようにしたらずっと調子の良さが続いていった。そのおかげですね」。プロペラのベースの形が定まったことで成績も高いレベルで安定するようになった。

 成績アップに伴って新たな課題も生じた。6月と7月に地元・津で優勝戦1号艇ながらVに結び付けることができなかった。「実力ですね。その辺をしっかり勝ち切れていれば、また違っていたけど…」と唇をかむ。

 勝ち切れなかったことの後悔。さらに、この〝V逸〟はSG出場に影響する。SGクラシックの選出基準の一つは優勝回数。例年なら年間6Vで当確。5Vの勝率上位選手が出場権を獲得している。もし2回のV逸がなければ、すでに今年5V。あと1Vで当確となるところに位置していた。それだけに悔しい思いは倍増するが、その気持ちを引きずってばかりもいられない。

「目標はもう1度、SGに出ること。あと3回、優勝すれば来年の戸田クラシックが見えてくる。だから、とりあえず今年はあと3回優勝したい。自分の100%を出し切ればやれると思っている」と2020年8月の蒲郡メモリアル以来5回目となるSG出場へ向けてまい進している。

 さらに、7月には同期の羽野直也が児島オーシャンカップV。114期初のSGウイナーが誕生した。「やっぱりGⅠとかSGに同期の出場が多いほどレース場では刺激にはなるし、自分もその舞台に行きたいなという気持ちにはなります」と大舞台への思いは募るばかりだ。

 もう一歩、前進するために――。自らの手でSGへの道を切り開く。

☆まつお・ひろむ 1988年9月3日生まれ。三重支部の114期生。三重県出身。2014年5月に津でデビュー。同年6月の蒲郡で初勝利。2016年1月の津で初V。2021年2月の津・東海地区選手権でGⅠ初V。通算17V、GⅠ1V。同期に羽野直也、村松修二、西野雄貴、中村桃佳、井上一輝、倉持莉々ら。