◇吉田拡郎(41)岡山支部90期
6月の蒲郡68周年で4年ぶり4回目のGⅠ制覇。優勝戦は2コースからの差し切り。インには道中激しく競り合った地元の赤岩善生。ほかにも峰竜太やチルト3度にはねた菅章哉など多彩なメンバーが顔を揃えていた。
「とにかく選手間や自分の周りで視聴率が高かった(笑い)。レース後はたくさんの人からメッセージをもらいました」
この節は初日に通算1500勝も達成。来年3月の戸田SGクラシックの出場権など得るものも多かった。その中で一番大きかったのは自信を取り戻せたことだという。表彰式では「涙が出そう」と声を詰まらせていた。
「あの4か月は結構、気持ちが落ち込んでいましたからね。また記念やSGでやっていけるのか正直不安があったけど、蒲郡で優勝できたことで大きな手ごたえをつかめた」。〝あの4か月〟と振り返るのは周回誤認の疑いで出場停止処分となった2021年5月~9月のことだ。この影響で出走回数不足となり2022年前期は15年ぶりとなるB級落ちとなった。
しかし一般戦を中心に勝ち星や優勝を積み重ねて、今年の平和島クラシックに出場し、準優4着。2020年の平和島GPシリーズ以来となるSG舞台で準優まで戦ったことで、また気持ちに火が付いた。
「とにかく楽しかった。それに尽きますね。またここで走りたい。その気持ちを再確認できたし、それがモチベーションになっています」
心身の充実はそのまま成績にも直結。近況の勢いはすさまじい。一般戦に限れば今年12節出場して10優出2Vと格の違いを見せており「一般戦で勝ちグセをつけて、その勢いで記念でも結果を出す」という好循環が続いている。
当面の目標は過去4年遠ざかっている至高の舞台に返り咲くことだ。
「今はダービー勝率のことを主に考えています。いい位置にいるので、まずは残り2か月弱をしっかり走り切ってダービーに出ること。もちろん大目標はグランプリですよ。SGに出られているうちは〝目標は賞金王〟と言い続けます」
ドン底を味わった男が不死鳥のように復活を遂げようとしている。ダービー、そして年末に向けても勝負どころとなりそうなのがこの夏場。7月はびわこ秩父宮妃記念杯を皮切りにGⅡ競走へのあっせんが続く。記念レーサーのオーラを取り戻した拡郎の走りに注目だ。












