高岡蒼佑(41)が格闘技大会「競拳」のエグゼクティブ・アドバイザー(EA)に就任したことが分かった。大会を主宰する若野康玄会長(享年77)が2月に急逝し、高岡が遺志を継ぐ形だ。「競拳23」(6月25日、大阪・堺市産業振興センター)が高岡初プロデュースの追悼興行となり、そのビジョンの一端を明かした。
高岡は昨年、若野会長に誘われる形で、競拳のリングに立った。40歳での挑戦は感動と共感を生み、今年1月の大会にも出場。いったん、区切りをつけ、今後は大会をサポートしていく考えだったが、若野会長が心筋梗塞で急死し、大会は存続も危ぶまれる事態に陥った。
若野会長はかねて高岡の格闘技に取り組む真摯な姿勢や俳優の遠藤要(39)を再起に導くプロデュース力など、その手腕を高く評価していたことから、競拳内では今後のかじ取り役として待望論が浮上。四十九日法要を終えたタイミングで、EAの打診を高岡は引き受けた。
高岡は「若野会長は若手の育成やくすぶっている子たちに活躍の場を与えたいとの思いで、競拳の場を作っていた。共感する部分があったので、引き継いで、選手側としての経験もあるので、自分の感性も伝えられるような大会にしたい」と意気込んだ。
この間、高岡は格闘家の皇治(33)が立ち上げた「NARIAGARI」の旗揚げ戦にもあいさつで、リング上に立った。
その場で皇治からは「高岡蒼佑軍団を『NARIAGARI』に連れてきてくださると勝手に思っている。盛り上がりますよね」と水を向けられていたとあって、高岡は改めて「せっかく格闘技に携わらせてもらったので協力し合えることは協力したい」とアンサー。皇治率いるNARIAGARI軍団との対抗戦実現にも前向きな姿勢を見せた。
また若野会長が高岡や遠藤をリングに引き上げたように一度、社会からドロップアウトした身でも再チャレンジする場としての役割も忘れていない。
「本人次第ではあるが、試合に向けて、トレーニングすると体と同時に心も鍛えられる。俳優だけでなく芸人やユーチューバーでも、どんどん出てきてほしい。どうしようなんて思っているうちに『人生終わるぞ』『出て来い!』と言いたい。恥ずかしいことなんて、なんでもない。絶対、次に何かつながる」と不祥事を起こしてもがき苦しんでいる人だけでなく、何か変化のきっかけを探している人へも参加を呼び掛けた。
格闘技は隆盛を極め、「RIZIN」や朝倉未来がスペシャルアドバイザーを務める「BreakingDown」など群雄割拠の時代に突入している。
「映画の話じゃないが、日本アカデミー賞がすごいワケではない。地方の映画祭の方がしっかり映画を見てもらって評価されていて、そっちの賞を取った方がうれしいという俳優もいる。競拳もそんな大会にしていきたい」と高岡は新たなステージへの挑戦に腕をぶした。