【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。千葉県船橋市立船橋高校の男子バレーボール部顧問の石井利広容疑者が部員への暴行の疑いで逮捕されました。

 練習中にミスをした男子部員に激怒し、上半身裸にした上で髪をわしづかみにして引っ張ったり、至近距離から顔面にボールを複数回投げつけたりした疑いが持たれています。

 石井容疑者は1988年に教諭として採用され35年にわたり同部の顧問を務めてきました。同部は90年に春高バレーで優勝し、県大会で優勝45回を誇る強豪。それだけに暴力事件が起こったのは残念です。

 スポーツ指導の現場での暴力事件ってたびたび報じられますよね。指導者とは、どうあるべきなのか。そこで今回はサミュエル・L・ジャクソン主演で、実話に基づく映画「コーチ・カーター」(2005年)を紹介します。舞台となるリッチモンド高校は落ちこぼれの生徒たちが集まり、卒業生の半分が逮捕されるような学校です。

 そこに同校のOBでサミュエル・L・ジャクソン演じるカーターが弱小バスケットボール部のコーチに赴任します。カーターはまず選手と契約を交わすんです。「学業で決められた以上の成績を残す」、「授業に必ず出席する」、「試合の日にはネクタイをして正装をする」。これらを守れなければ試合に出さないと宣言します。

 生徒たちに規律を守らせることでチームを強くさせます。カーターの真の狙いはバスケ部を強くすることではなく、生徒たちの人間的成長なんですね。最初は反発していた生徒たちもチームが強くなるとカーターを信頼するようになります。しかし次第に勝利を求める学校や保護者とカーターの考えにズレが生じ始め…。結末はぜひ本編をご覧ください。

 スポーツに限らず教育の現場では暴力が起こりやすい。僕も学生時代にゲンコツがあったし、先生が怖くて言うことを聞いていました。石井容疑者のように実績のある監督であれば、厳しい指導が成功体験として残っていた部分もあったんじゃないかと思います。そして周囲も容認する雰囲気になっていたのかもしれません。

 しかし、それは大人たちのエゴです。我々が意識をアップデートしなければなりません。指導者としてどうあるべきなのか。そのヒントになる1本だと思います。

 ☆ありむら・こん 1976年7月2日生まれ。マレーシア出身。玉川大学文学部芸術学科卒業。ローカル局のラジオDJからキャリアをスタートさせ、その後映画コメンテーターとしてテレビ番組やイベントに引っ張りだこに。最新作からB級映画まで年間500本の作品を鑑賞。ユーチューブチャンネル「有村昆のシネマラボ」で紹介している。