【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。英国のエリザベス女王が8日に96歳でお亡くなりになりました。1952年に即位して以来、歴代最長となる70年にわたり在位。今年6月には在位70年を記念して祝賀行事「プラチナ・ジュビリー」をお祝いし、英国民をはじめ世界中の人々から愛されました。
今回は映画で女王の人生を振り返ってみたいと思います。女王に関する作品はたくさんあるんですが、今回は2013年の映画「エリザベス2世 知られざる女王の素顔」を紹介します。貴重な映像と関係者へのインタビューで女王の人生をひもとくドキュメンタリー作品です。
女王は26年に後の国王ジョージ6世の長女として生まれ、52年に国王の死去に伴って25歳の若さで王位を継承しました。当初は王位継承順位としては、そんなに高くなかったんですよ。なので伸び伸びと子供時代を過ごし、大のパパっ子だったそうです。ちなみに、ジョージ6世は吃音(きつおん)症でコリン・ファース主演映画「英国王のスピーチ」(10年)のモデルにもなりました。こちらも関連作としてご覧ください。
話を戻します。女王といえばフィリップ殿下との恋です。女王が13歳の時に一目ぼれし、片思いを続け、初恋を貫き21歳の時に結婚。フィリップ殿下は昨年99歳でお亡くなりになっているので壮大なラブストーリーですね。お2人は公務で必ずゆっくりと歩くようにしました。そこには国民のために誰も置き去りにしないという思いがあったと言われています。
しかし97年に王室を揺るがす問題が起きます。チャールズ皇太子と離婚したダイアナさんがパパラッチに追われ、パリで事故死する悲劇が起きます。ここから女王の評価がガタ落ちするんですね。ダイアナさんは国民的人気も高く、女王がすぐに弔意を示さなかったことで「なぜ王室は声明を出さないんだ!」「女王陛下は血が通っていないのか!」と猛バッシングを浴びます。
しかし、そこには一貫して個人の主張は公人としては出さないというモットーがあったのではないかと思います。映画の中でも皇室ジャーナリストが「国民からの声援はあくまで女王陛下に向けられた称賛であって、私個人への称賛は一度たりともされたと思っていない。感情を表に出さないことを徹底していた」と代弁しています。
ただ、実際には、女王は沈黙を破りました。「これから女王として、祖母として、思うことを話します。ダイアナに心からの敬意を。国民が彼女への悲しみと敬愛の念でまとまっていることを世界に示す機会です」と異例のスピーチを行い、信頼を回復させるのです。
時代の変化もあって、ここ数年は「開かれた王室」を目指し、SNSでチャーミングな姿を見せてくれた女王。ぜひこの作品をご覧になって、その生涯に思いをはせてみてはいかがでしょうか。
☆ありむら・こん 1976年7月2日生まれ。マレーシア出身。玉川大学文学部芸術学科卒業。ローカル局のラジオDJからキャリアをスタートさせ、その後映画コメンテーターとしてテレビ番組やイベントに引っ張りだこに。最新作からB級映画まで年間500本の作品を鑑賞。ユーチューブチャンネル「有村昆のシネマラボ」で紹介している。












