グループ活動を一時休止し、ソロ活動専念を表明した韓国の超人気グループ・BTS。K―POP消費大国である日本の芸能界では〝ポストBTS〟を巡る動きも活発化している。といっても、歓迎する声ばかりではないのも事実だ。特に日本のテレビ局は、ジャニーズ事務所との〝忖度関係〟に頭を抱えている。


 グループとしての活動を一時休止することを表明したBTSは、今後はソロ活動を本格化させる予定だ。さっそくJ―HOPE(28)が、7月15日に初のソロアルバム「Jack In The Box」をリリースすることを発表した。

 もっとも最年長のJIN(29)は今年12月、SUGA(29)は来年3月をめどに兵役義務が間近に迫る。8年後の「2030釜山国際博覧会」の広報大使を務めることが発表されたが、7人全員で本格活動できるかは見通せない。

 BTSが所属するレーベルを傘下に置く韓国の大手芸能事務所「HYBE」も、活動休止を見据え、2019年に「TOMORROW X TOGETHER」、20年に「ENHYPEN(エンハイプン)」と2つの男性グループを誕生させ、今年5月には元HKT48の宮脇咲良がSAKURAとして所属するガールズグループ「LE SSERAFIM(ル セラフィム)」がデビュー。音楽番組など日本のテレビ番組にも出演済みで、7月13日放送の「FNS歌謡祭 夏」(フジテレビ系)にも生出演する。

 もっともポストBTSの座を狙っているのは、HYBE以外の韓国事務所や日本の事務所も同じ。世界2位の音楽市場を持ち、K―POP消費大国である日本でブレークすれば、莫大な利益を得ることができるからだ。

 特に期待が大きいのは、韓国の大型オーディションプロジェクトの日本版「PRODUCE 101 JAPAN」から誕生し、20年3月にデビューした男性11人組グループ「JO1」だ。

 韓国を代表するエンタメ企業「CJ ENM」と吉本興業が作った合弁会社に所属。21年には「PRODUCE 101 JAPAN」シーズン2から誕生した男性11人組グループ・INIも所属している。

「それぞれK―POP仕込みの曲調とダンスでファンが急増中。JO1は昨年12月に発売した5枚目シングルがビルボードジャパンの初週売り上げで51・6万枚、INIは4月発売の2枚目シングルが初週74万超えでともに首位を獲得した。憧れの存在に挙げているのは、もちろんBTS。世界で活躍するグローバルグループを目指している」(レコード会社関係者)

 とはいえ、日本での知名度はまだまだ。メンバーも「日本でもっと知ってもらいたい」と意気込んではいるが、音楽番組をはじめテレビ露出自体が少ないのだ。この理由について、民放の音楽スタッフはこう指摘する。

「JO1やINIはK―POPグループ扱いですが、メンバー全員が日本人。ファン層の食い合いを考慮して、音楽番組などで絶対的な力を持っているジャニーズ事務所に忖度し、出演オファーを出しづらい状況です。5月にMステに出演したENHYPENは日本人がいますが、1人だけ。日本人が最小人数の目立たないK―POPグループならOKなのですが」

 もっとも「人気があるのになぜ?」とファンは不満を募らせており、加熱する〝ポストBTS狂騒曲〟が困った事態を生んでいる。

「『ジャニーズに忖度するな!』など局に抗議が寄せられている。中には『そんな忖度してるから、日本はK―POPにファンを奪われるんだ』と耳の痛い声まで…。とはいえ、長年築き上げてきた、ジャニーズさんとの良好な関係は、ドラマやバラエティーなど多岐に渡る好影響があるので大切にしなければならない。とにかくポストBTS報道が早く収まってほしい」(前同)

 BTSの活動休止余波は思わぬところまで広がっているようだ。