俳優の古谷一行(本名ふるや・かずゆき)さんが8月23日、東京都内の病院で死去していたことがわかった。78歳。葬儀は家族で行った。後日「お別れの会」を開く予定。多くのテレビドラマに出演し、ラブシーンの達人と呼ばれた古谷さんは、スキャンダル対応でも一流だったようで、関係者からは〝神対応の元祖だった〟との声も上がっている。
古谷さんは2011年に肺がんを公表し、切除手術を受けて翌年に復帰。14年に脳への転移が見つかり、放射線治療を受けて完治していた。所属事務所担当者は「『体調が悪い』とのことで、大事を取って検査をすることになりまして。『入院してくるわ』と言って検査のために病院に泊まったのですが…。本当に急死で…。トレーニングに通って復帰に向けて頑張っている矢先でした」とショックを隠せない様子だった。
大学在学中に俳優座の養成所に入所した古谷さんは、1969年の「新選組」で映画デビューを果たした。テレビでは、77年から放送の横溝正史シリーズドラマで演じた探偵の金田一耕助が当たり役になった。
さらに新興住宅地を舞台に、団塊の世代による不倫を描いた80年代の連続ドラマ「金曜日の妻たちへ」(TBS系)では、女性にもてる既婚のビジネスマンを演じ、社会現象を巻き起こした。97年のドラマ「失楽園」(日本テレビ系)では破滅的な不倫関係に陥る中年男性を熱演した。
ドラマだけではなく実際にモテた。「業界の集まりで以前、ある女優さんが『古谷さんって実はラブシーンの達人で、ものすごく上手。ベッドに入るとなぜか好きになっちゃう』と言っていた」(芸能関係者)。古谷さんはラブシーンがあるときは「女優とさりげなく撮影外でおしゃべりして、次第に好きにさせる」というのがお決まりだったそう。
そんな古谷さんに〝ピンチ〟が訪れたこともあった。〝隠れた代表作〟と言われる「土曜ワイド劇場」(テレビ朝日系)の中で放送された「混浴露天風呂連続殺人シリーズ」で共演した女優との間に不倫騒動が持ち上がったのだ。
「その女優に浮気を暴露され、古谷さんは謝罪会見を開くことになった。しかし一切言い訳せず、『やりました』と認めたうえ、『関係を持ったことに後悔はないが、表ざたになったことは後悔している』と、あまりにも正直すぎるコメントを残した。ただスキャンダルの対応としては正解で、〝神対応〟のはしりだった」(ワイドショー関係者)
これで「混浴露天風呂連続殺人シリーズ」は打ち切りになることなく、25年も続く人気シリーズとなった。コンプライアンスに厳しくなった今とは時代が違うと言えばそれまでだが、古谷さんは役者としてスキャンダル対応も一流だった。












