【今が旬〜このレーサーに乗れ〜】近況乗れている好調レーサーにスポットを当てる「今が“旬”~このレーサーに乗れ!~」――。今回は豊田健士郎(23=三重・115期)をクローズアップ!

 実家はボートレース津のすぐ近所。この辺りは昔からボート熱の高い地域で父、祖父とボートレースファン。身内の勧めもあり「洗脳されていました(笑い)。気づいた時にはレーサーになろうと思っていました」と幼いころからの夢を実現した。

 学生時代も「中学から陸上競技、三段跳びをやっていました。レーサーになることを考えて、全身を鍛えたかった」と努力した。

 というのも、近代ボートレースは昔よりスピード化され、以前と比べて体のバランスや体幹の力が求められる。持ちペラ制のようなエンジンさえ出ればいいという時代は過去の話で、現代のレースにマッチしたスタイルを体現している。

 出世も早くデビュー7期目(2018年後期)が初A2、今期には初A1昇格。三国プレミアムGⅠ「ヤングダービー」での準優勝も記憶に新しい。昨年11月に地元・津で初優勝を果たし、今年もヤングダービー直後の蒲郡ルーキーシリーズでも優勝している。

 その半面、A1となり上の舞台を走ることで課題も見えてきた。

 GⅠ戦は初出場だった8月のびわこ67周年を含め、未勝利。ヤングDにしても2着5本も取りながら、水神祭が遠かった。特に4日目のイン戦を落としたのが痛恨で「起こしでブルが入った。調整が足りなかった」と猛省した。

 とはいえ、課題が見つかり苦境に直面しても一切、言い訳をしない点はレーサー向きの気性といえよう。予選落ちに終わった津GⅡ・MB大賞もなかなかエンジンが仕上がらない中、終盤に1期上の先輩・松尾拓にアドバイスを受けて良化したが「他人の力で良くなったことはやっぱり悔しい…。ある意味、カンニングしたようなもの」とポツリ。やはり向上心の塊と言って過言ではない。

 近況は22日現在で勝率6・03。A1勝負駆けという点では、この29日からの尼崎ルーキーSを全て1着でボーダーに届くかどうか、という厳しい状況だが「A1になれたら、それはそれでうれしいが、それよりも実力をつけたい」とあくまで目先の結果よりも、未来の礎となるべき技量を追求する姿勢を貫く。23歳の若さでこれだけ考え方のしっかりした選手は珍しい。いつの日か三重支部を背負って立つ存在となるはずだ。

☆とよだ・けんしろう 1996年3月13日生まれ。三重支部所属の115期生。2014年11月の津でデビュー。初1着は15年4月、初優勝は18年11月、いずれも津一般戦。通算2V。師匠は岡祐臣。同期は権藤俊光、山下昂大、佐藤隆太郎、仲谷颯仁、関浩哉、前原哉ら。身長=167センチ、血液型=O。