◇丸野一樹(30)滋賀支部109期

 2021年ボートレースの総決算となるSG「第36回グランプリ」(優勝賞金1億円)がボートレース住之江で14日に幕を開ける。約1600人のボートレーサーが目指してきた頂上決戦。選ばれた18人のレーサーが、それぞれの「生きざま」を激しくぶつけ合う。直前カウントダウンコラム第1回は、この最終決戦に初めて挑む丸野一輝に焦点をあてた。


 直前の鳴門PGⅠ・BBCトーナメントで通算5回目のGⅠV。絶好の勢いで初の大舞台に乗り込んでくる。「BBCトーナメントで少し強くなれたと思う。この流れのままグランプリに行けたら…」と意気込んでいる。

 2011年11月のデビューから10年の年月を経て最高峰の舞台にたどり着いた。「グランプリ出場が決まってホッとしています。やっとグランプリに出場できるところまでこれたと…」と感慨深げに心境を打ち明けた。

 賞金ランク11位(7423万2000円)で2021年の賞金王を決定する最終決戦への出場を決めた。昨年は1月にからつGⅠ66周年記念を制してグランプリ出場を狙ったものの、夢舞台には届かなかった。その苦い思い出があっただけに「今年こそ」という思いを成就させたが、順風満帆な1年ではなかった。

 昨年同様、1月に尼崎68周年記念でGⅠVと好発進。3月には若松GⅠ68周年記念で優勝。4月までにGⅠ4優出2Vと順調に賞金を積み重ねた。

 しかし、7月の芦屋SGオーシャンカップ初日、試運転中に転覆。左手の複数部分骨折という重傷を負った。他のレーサーからは年内復帰も危ぶむ声が出るほどの大ケガだったが、手術と懸命のリハビリで8月のSGメモリアルで復帰。いきなり優出(5着)を果たした。その後も9月に鳴門GⅠ68周年記念で優出するなど、賞金を加算してグランプリ出場を決めた。「今年は大ケガをしたけど、ケガをしたことにより強くなれた」と振り返る。

 この驚異の復帰を支えたのは、ボートレース界を中心に話題となっている「マルトレ」だ。京都市内のジムでトレーナーの八木賀史と二人三脚で立ち上げたトレーニング。現在では20人以上が「マルトレ」に取り組んでいる。兵庫支部の来田衣織、岡山支部の勝浦真帆など他支部から京都に引っ越してきた現役選手をはじめ、ボートレーサーを目指す候補生も汗を流している。

「彼らの姿を見て僕も力をもらっています。30代になって〝今回一発で終わるのか〟〝これからもグランプリに出続けていくのか〟の分かれ道。やれることをやってチャンスをつかみたい」

 グランプリ常連のトップレーサーとして走り続けるためにも貪欲に〝進化″を追求していく。