大阪すでに “医療崩壊”…吉村府知事「中等症受け入れ病院で治療」発言の欺瞞

2021年04月13日 05時15分

吉村大阪府知事

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ「まん延防止等重点措置」が12日、東京、京都、沖縄の3都府県で始まった。一方、すでに適用されている大阪府は同日、新型コロナウイルスの新規感染者が月曜日としては過去最多となる603人だったと発表した。

 大阪では変異株の流行で新規感染者数が急拡大し、まん防が適用されて1週間となるが、発症までの期間を考慮すれば効果が表れてくるのは2週間後。吉村洋文知事(45)は「今週はまん延防止適用開始前に感染した人が陽性者として積み上がってくる。(陽性者の)数字は増えると思っているし、1000人は超えてくると思う」と語った。

 これまで重症化しにくいとされた50代以下の重症者の割合も急増。重症化に至るまでの日数も約6日と短くなっている。

 重症患者の急増は病床の運用を圧迫。12日時点での重症病床運用率は92・7%に達している。この数字とは別に、中等症患者受け入れ医療機関で治療中に重症化しても、転院することなく、そのまま治療を継続している患者が15人いる。

 吉村氏は「重症対応できる人材や設備が整っている軽症中等症受け入れ病院において、重傷者治療をしてもらっている」と言うが、医療関係者は「重症病床に空きがない場合は中等症で診るしかない。診れるというより、仕方ないので診てるという感じで基本的にマンパワーが足りていません」と指摘する。

 さらに、大阪市内の複数の病院では重篤な一般患者を受け入れる「3次救急」を一部、停止している。「医療崩壊にはコロナの重症患者を診れなくなるだけではなく、コロナを診るためにほかの病気の患者を診れなくなることも含まれる。病院によってはすでに医療崩壊しているといえる」(同)

 ある府政関係者は「もうダメですね。無理やり中等症に残すことで数字上のやりくりをしてますけど、これは完全に医療崩壊してます」と嘆く。医療崩壊が現実味を帯びてきたようだ。

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