凄まじい強さ持つ天才棋士の愛らしい一面!? 藤井聡太七段の意外な弱点とは…

2020年07月03日 13時11分

記者会見した藤井七段。笑顔の合間に鋭い視線を放った

 すさまじい実力だ! 将棋の最年少棋士・藤井聡太七段(17)が木村一基王位(47)に挑む第61期王位戦7番勝負の第1局は1、2の両日、愛知県豊橋市で指され、95手で先手の藤井七段が勝利した。並行する棋聖戦5番勝負に続き、2つ目のタイトル戦でも勝ち星を挙げ、無類の強さを見せつけた藤井七段だったが、この日、唯一の弱点を見せた。

 2日間にわたって行われた王位戦7番勝負の第1局。藤井七段にとって、2日制の対局は初めてだったが、「初めてで充実感はあった。体力面ではかなり課題が残ったと思うので、次はそういう面にも気をつけたい」と勝ってかぶとの緒を締めた。

 終局後には、和服姿では自身初となる会見に臨み、白い着物に紺のはかま、水色の羽織と、さわやかな色合いを引き立たせた。

 好スタートを切ったことについても「王位戦はまだ前半なので、これまでの対局の反省を次に生かしたい」とあくまで冷静だ。

 先月28日に行われた、第91期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負第2局で同タイトル戦2連勝を遂げるなど、圧巻の強さを見せつけたばかり。その対局から、わずか3日で挑んだ王位戦第1局でも安定の強さだった。

 これだけ勝ち続けていても常に冷静さを失わずに、しかも謙虚なのが藤井七段。

 対局を見ていたプロ棋士の勝又清和七段は「強すぎて怖いぐらい。この2か月の間に永瀬拓也2冠、渡辺明3冠、木村一基王位を負かしたというのがすごいこと。それでも藤井七段は対局後、勝利したにもかかわらず、反省しなければいけないと言っていた」と驚きを隠さない。17歳とは思えない落ち着きぶりには、先輩棋士たちも舌を巻いている。

 だが、そんな藤井七段にもかわいらしい一面があった。

 この日の昼食で「冷やしきしめん御膳」を“キノコ抜き”でオーダーしたのだ。同メニューは、エビやカボチャなどの天ぷらの盛り合わせと、ざるきしめんの組み合わせ。天ぷらの具材のシイタケがトウモロコシに代わった。

 勝又七段は「藤井七段はキノコが嫌いのようなんです。食わず嫌いで、キノコを食べたことはないが、キノコ類全般が苦手だと言っていました。料理を注文する際は必ずキノコ抜きを頼むそうです」と明かした。

 実は藤井七段は以前の対局時にもハヤシライスをマッシュルーム抜きで注文している。

「ホッとした。やっと17歳らしい部分が見られた。これだけ勝ち続けても常に落ち着いていて、和服も自然に着こなしている。そんな彼を見ていると、17歳だということを忘れてしまいそうになる。将棋の内容では、これまで苦手な戦いなどがあったけど、今ではどんどん弱点がなくなってきている。そのうち彼の弱点はキノコだけになるかもしれない」と勝又七段。

 藤井七段が食わず嫌いで避けてきたというキノコ。見た目が苦手なのだろうか。それとも、棋士は対局時、胃にもたれない食事を心がけるということで、食物繊維の塊で消化されにくいキノコを本能的に避けているのだろうか。

 やはり10代のころ“はにかみ王子”としてプロゴルフ界を席巻、日本中を大興奮させた石川遼も実はシイタケが苦手。意外な共通点だ。

 次の対局は13日と14日にホテルエミシア札幌で行われる。木村王位はこの第2局で巻き返しを図りたいところ。

 キノコの模様がついたものを身に着ければ、藤井七段の気をそらすことができるかもしれない。

【著名人と好き嫌い】藤井七段の活躍で将棋への関心が高まっているが、大相撲で若貴兄弟人気が過熱した1990年代には、兄・若花田(後の横綱三代目若乃花、現タレント花田虎上)の“ピーマン嫌い”が話題になった。スポーツ界では元サッカー日本代表の中田英寿氏も現役時代、野菜嫌いぶりが報じられた。体操の元世界王者・内村航平も中田氏と同様で、好物のチョコ菓子「ブラックサンダー」が2008年の北京五輪を機に注目された。

【将棋8大タイトル】名人、竜王、王位、王座、棋王、王将、棋聖の7大タイトルに2017年から叡王が加わり、現行の8大タイトルに。伝統と格式ある名人戦、7番勝負の優勝賞金が4400万円と最高の竜王戦は注目度が特に高い。藤井七段が挑戦中の王位戦は中日新聞社などが主催。17年には菅井竜也七段(当時)が平成生まれで初のタイトルホルダーとなった。棋聖戦は産経新聞社の主催。近年ではかつての7冠・羽生善治現九段が18年に失冠するまで10期タイトルを保持した。