オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに、現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げていく。第34回は「くねくね」だ。
主に東北地方や北陸地方に生息していると言われている。白く細長い姿でくねくねと全身を揺らしている。田畑の向こう側に出現するらしく、これを双眼鏡などではっきりと視認してしまうと精神に異常をきたしてしまう。ひょっとしたら人間が精神崩壊する前兆現象として見えるものかもしれない。
筆者が毎日更新しているユーチューブチャンネル「ATLASラジオ」に出演した男性の証言によると、福島県会津若松の友人宅に行った時に遠くの畑に白く細い棒のようなものがウネウネしていた。揺れがどんどん激しくなってきつつ、スーッと滑るように猛スピードで近づいてきた。200メートルほど近づいてきたところで、怖くなり、急いで車で逃げたという。
東北地方では他にも、愛犬と散歩に出かけようとしていた男性が自宅近所の田んぼに出現した「くねくね」に遭遇している。
縁側で準備し、散歩に行こうとしたところ、普段は散歩大好きですぐに走りだす愛犬が、この時はボーッとしていた。愛犬の目線をたどると、200メートルほど先の田んぼに黒色で細くヒラヒラしたものが見えた。遠すぎてよく見えないが、高速でカクカクとおじぎするような動きに変化した。男性は「くねくねかもしれない。見ると危ない」と家の中に戻った。幸い、2人の男性には何も起こっていない。