ザ・ビートルズが多くの名作を録音した英ロンドンのアビーロード・スタジオが、音楽史における重要な場所となるはるか以前、不穏な過去を持つ個人の住居として使われ「幽霊騒動」が起きていたという。米誌ピープルが18日、報じた。

 同スタジオは多くのミュージシャンに門戸を開いて以来、ビートルズ、ピンク・フロイド、クイーン、アレサ・フランクリン、ケイト・ブッシュといった伝説的なアーチストたちが名作を録音した。しかし、その歴史はレコーディングセッションや有名なアルバムジャケットよりもはるか昔に遡る。

 ビートルズが初録音した1962年より数十年前、この家は謎の死を遂げた女性と関連付けられており、その死が幽霊の伝説を生む一因となった。60年代に語り継がれた幽霊騒ぎの逸話の一つは、深夜の警備点検が恐ろしい展開を迎えるところから始まる。

 1950年から1995年までアビーロード・スタジオでレコーディング・エンジニアとして働いていたケン・タウンゼント氏がテレグラフ紙に送った手紙によると「当時、夜間警備を担当していたスミス氏とブライス氏は、早朝に幽霊が廊下を歩いてきて、ドアが開き、白い服を着た女性が彼らの前を通り過ぎると訴えていた」とのことだ。

 英音楽誌スタジオ・サウンド・マガジンによると、この9つの寝室を持つ家はもともと1831年に建てられたもので、同誌は「他にも奇妙な出来事が起こっている」と指摘している。例えば、「ドアが勝手に開閉したり、部屋が突然強い香水の匂いで満たされたり、屋根裏部屋の一つに血痕とされるものが変色したりする」という。

 目撃された女性は「白い貴婦人」として知られるようになり、かつてミュージックホールのスターで、1920年代に同邸引っ越してきたジョン・マンディ・グレゴリーと共に住んでいたエディス・ロッセだと広く信じられている。

 グレゴリーとロスは夫婦として暮らしていたと思われていたが、二人の関係はプラトニックなものだった。しかし、グレゴリーがロッセを説得して遺言を自分に有利なように書き換えさせた後、彼女は数日後に亡くなったとテレグラフ紙は報じている。

 スタジオ・サウンド・マガジンによると、ロッセの公式な死因は脳出血だった。しかし、毒殺があった疑いから、捜査官は彼女の遺体の掘り起こしを命じた。

 しかし、グレゴリーがテムズ川沿いの墓地に「密封されていない棺に入れて」彼女を埋葬したため、遺体の腐敗がかなり進んでいたことから、捜査官は殺害か事故か結論を出すことができなかったとされる。この「幽霊騒動」音楽史の裏話として今でも語り継がれているという。