新指揮官は決まらずとも、補強の照準は定まりつつあるようだ。巨人が今オフ、国内FA権を持つ広島の主力3選手の獲得調査を水面下で進めている。中でも最優先とするターゲットは床田寛樹投手(31)。FA宣言に踏み切れば、4年総額12億円規模の大型契約を用意して争奪戦に打って出る構えだ。
巨人は今季、優勝した阪神に2・5ゲーム差の2位。クライマックスシリーズ(CS)でも3位・DeNAに連敗し、下克上の夢はあえなく消えた。橋上監督代行の後任には高橋由伸氏らが候補に挙がっているものの、新体制の全容は依然として不透明。それでも球団は監督人事と並行し、来季の戦力整備を着々と進めている。
その一環で動向を探っているのが、そろって国内FA権を取得した広島の床田、森下、坂倉の3人。いずれも調査対象とはいえ、FA宣言に踏み切れば最も力を注ぐ方針とみられているのが、来季でプロ11年目を迎える鯉の背番号19だ。今季は23試合に先発して8勝6敗、防御率2・76。143回1/3を投げた実績も、計算できる先発左腕を欲する巨人には魅力と言える。
一方、打線のテコ入れも急務となっている。今季のチーム打率2割3分4厘、103本塁打はいずれもセ・リーグ上位3球団で最低。ならば坂倉の獲得を優先すべきとの見方もあるが、チーム関係者は「野手に限れば今オフのFA市場はやや小粒な印象。制約のあるFAより、助っ人の大砲を連れてくる方がうま味はあるのでは」と指摘する。MLBの労使交渉の行方も見極め、外国人野手の補強に活路を求める考え方だ。
投手陣も安泰ではない。今季のチーム防御率はリーグ2位の2・80だったが、ウィットリー、ハワード、マタは後半戦以降にコンディション不良が相次ぎ、来季の去就は不透明。戸郷、山崎も今季は本領を発揮できず、先発再整備は急務だ。前出の関係者も「今季終盤のように救援陣に負担をかけないためにも、先発は何枚あってもいい」と語る。
イニングイーターの左腕を射止めれば、新体制への大きな追い風となる。監督人事の決着を待たずに動く巨人の〝床田包囲網〟は、どこまで狭まるのか。












