過去の成功体験にすがれるほど、今のドジャースに余裕はない。

 3連覇を狙う王者が、ポストシーズン序盤から早くも綱渡りを強いられている。米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」傘下のスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」は6日(日本時間7日)、ブレーブスとの地区シリーズで1勝1敗となったドジャースの現状を分析。ミゲル・ロハス内野手(37)は「もしわれわれが成し遂げるなら、天国と地獄をくぐり抜けなければならない」と覚悟を口にした。

 確かに修羅場を覆した実績はある。2年前の2024年地区シリーズではパドレスに1勝2敗と王手をかけられながら2連勝。そのまま世界一へ駆け上がり、昨季も頂点に立って連覇を成し遂げた。

 だが、その「データ」を今回に当てはめるのは危険だ。何より当時とは状況が大きく異なり、満身創痍の大谷翔平投手(32)が本来の姿からほど遠い。同サイトも大谷に関し8月18日(同19日)以降は本塁打がなく、打点もわずか1であることを大きな懸念材料として警鐘を鳴らしている。加えてウィル・スミスは8打数無安打、アンディ・パヘスは7打数無安打、トミー・エドマンも5打数無安打と、低調なのは大谷だけではないところも非常に気ががりだ。

 一方でマックス・マンシーは今ポストシーズンで2本塁打、フレディ・フリーマンにも9月2日(同3日)以来の一発が出た。先発陣もドジャース最大の強みだ。それでも第2戦は2―3で落とし、シリーズは実質3試合2勝制に。しかも舞台はアトランタへ移る。打線全体に一気の反転を予感させる材料がそろったとは言いがたい。

 事実として同サイトも、巨額投資が10月の成功を保証するわけではないと指摘する。フリーマンも3連覇の話は考えていないとした上で、「今は火曜日(6日)を乗り切ることに集中している」と目の前の一戦だけを見据える。

 地区シリーズを生き残ったとしても、その先にはリーグ優勝決定シリーズ、ワールドシリーズという二つの壁が待つ。資金力も過去の逆転劇も、今の不調を消してはくれない。劇的な復調という都合のいい展開を前提にできない以上、3連覇への道が険しいことだけは確かだ。